昔からスクスク育つ例えに使われるほど成長の早いタケノコ。特に地上へ顔を出してからは、目を離しているとあっという間に大きくなってしまいます。

 Twitterに、地面から生えてきたタケノコが倉庫の屋根を突き破ろうとしている写真が投稿されました。下の部分は立派な竹になっていて、タケノコの旺盛な成長力を感じさせます。

 この写真を「倉庫に久しぶりに来たらこれや……」という言葉とともに投稿したのは、大分県で酪農と和牛の繁殖をしているyasuさん。現場は肥料や農機具を格納している倉庫で、床はなく地面がむき出しになっている構造です。

 タケノコは竹の地下茎に芽ができ、それが地上へと出てきた姿です。yasuさんに話をうかがうと倉庫の裏、3メートルほど離れたところに竹やぶがあり「タケノコが生えてきたのは竹やぶから6~7メートルくらいのところです」とのこと。

yasuさん宅のタケノコ(yasuさん提供)

 竹やぶが近くにあるせいで、この倉庫には毎年タケノコが生えてくるんだそう。例年は小さいうちに掘っていたのですが、今年は忙しくて訪れる暇がなく、3月以来の訪問になったのだとか。

 倉庫に入ってみると、目に飛び込んできたのはグニャリと曲がりつつ、屋根を突き破らんと伸びたタケノコの姿。「見た時には『やっぱり生えてたか……』という感じでしたね」と、その時の様子を語ってくれました。

 途中で曲がっていることから、まだ組織の柔らかい段階で屋根まで到達し、突き破れなかったものと思われます。長さとしては3メートルを超えるくらいになっていたそうです。

なんとか屋根は無事(yasuさん提供)

 しかし、今となっては下は立派な竹となっており、発見が数日遅れていたら、今度は一気に屋根を突き破り、大きな被害を出していたかもしれません。yasuさんはレシプロソー(動力で往復切断するノコギリ)でタケノコを切断。すんでのところで事なきを得ました。

切断されたタケノコ(yasuさん提供)

 竹の地下茎は思っているより広範囲に広がっていることが多く、この場合も竹やぶから少し離れて場所からタケノコが顔を出し、隙あらば勢力範囲を拡張しようとしてきます。yasuさんも後日、重機を導入して倉庫内に入り込んだ地下茎を掘り起こす予定とのことです。

この下に地下茎が伸びている(yasuさん提供)

 筆者の友人宅にも竹やぶがあるのですが、タケノコ掘りは「楽しみではなく、竹やぶを広げないための義務」なんだとか。自宅でタケノコが採れるのはうらやましいと思ってしまいますが、実は結構面倒な存在なのかもしれません。

<記事化協力>
yasu@大分県の酪農家の男性さん(@GS1111_BP5)

(咲村珠樹)