全国でも珍しい、一文字かつ県庁所在地の、三重県津市。漢字でもひらがなでも一文字で表す事ができることで知られていますが、その津の駅名看板がぱっと見「?」に見えると話題です。

 「何を言っているか分らねぇと思うが昔あったことを話すぜ… 通学中によく寝てたわたしは降り過ごしたかと思い、慌てて飛び起きて今何処かと窓から確認した駅名標には「?」の文字が… 私はてっきりきさらぎ駅的な異世界に迷い込んだかと思っもんだぜ…」と、その時に見た駅名看板をツイッターに投稿したのは、ネットユーザーのカルマさん。

 津駅はJR紀勢本線と近鉄名古屋線と伊勢鉄道線が乗り入れている駅。名古屋駅から津駅まで直通する、「快速みえ」号は、川原田駅から津駅まで伊勢鉄道を経由します。そして、近鉄の駅名看板には漢字で「津」と大きく書かれた下にひらがなで「つ」、その下に「Tsu」と統一されていますが、JR線では「つ」が大きく書かれ、下に「津」その下「Tsu」となっています。

 しかし、このJR線の駅名を近鉄側から遠目に見ると、「つ」と下の「津」の文字が絶妙にあわさって「?」と見える形に。これを見た人たちからは、「私も高校の時に部活で津に行って同じ思いをしました…!驚きますよね!」「確かに遠目に見ると『?』に見える!」と。地元ではもはや定番ネタです。

 実はこの津市、日本では一文字ですが、ローマ字にすると3文字で、「世界一短い地名」にはならないのだとか。そのため、名実ともに世界一短い地名にして街おこしをしようと考えたのが、1994年当時、三重大学人文学部の児玉克哉教授。児玉教授は広島県出身であり、「MAZDA」のお膝元の出身。そして、ドイツ語でも「Z」を「ツ」と発音することなどから、世界一短い名前の都市「Z市宣言」を提唱。津青年会議所が活動を続けていましたが、立ち消えになっては忘れた頃に話が復活するなどしています。

 ちなみに、筆者は学生時代に児玉教授の授業でこの話を直接聞いておりましたが、結局話半分で聞いていたことをこっそり告白します(20年以上前の話ですが、当時の国立看護専門学校に基礎科目の人文学の講師として授業に携わっていらっしゃいました)。

 駅名に話を戻しますが、JR線ではひらがなで駅名を統一して表示していますが、近鉄は漢字表記での統一。このため、近鉄ユーザーからJRの駅名を見ると一瞬混乱することも多いようです。

<記事化協力>
カルマさん(@inakamusume)

(梓川みいな)