イギリス空軍が新たに導入する哨戒機、ポセイドンMRA Mk.1(P-8A)の初号機が2019年7月12日(現地時間)、アメリカでボーイングのテストパイロットにより初飛行を行いました。退役したニムロッドに代わり、2020年春にはイギリスへやってくる予定です。
初飛行が行われたのは、ボーイングの組み立て工場があるワシントン州レントン。現地時間の午前10時に離陸したP-8Aは、90分間にわたる飛行中、航空機としての各種性能確認を行っています。
現地で見守ったイギリス空軍P-8Aプログラムのディレクター、ショーン・ジー大佐は「ポセイドンを作り上げたボーイングのスタッフと面会し、我々の初号機ZP801と対面して初飛行を見守ることができたのは、とても素晴らしいことです。10月に予定されている我々への引き渡しが非常に楽しみです」という談話を発表しています。
この初飛行に先立ち、機体にはイギリス空軍の登録記号「ZP801」が書き込まれました。また、イギリス空軍では伝統的に大型機に対し、登録記号とは別に名前をつけていますが、このZP801は将来の本拠地となるロジーマス空軍基地の所在地にちなみ「プライド・オブ・マレー」と命名されています。
初飛行を終えたZP801は今後装備品の艤装作業に入り、10月にイギリス空軍に引き渡される予定。引き渡し後は、フロリダ州のアメリカ海軍ジャクソンビル航空基地でイギリス空軍の乗員養成訓練に使用され、訓練が終わる2020年春にイギリス本土へ移動することになっています。
イギリス空軍では9機のポセイドンMRAを導入する予定となっており、スコットランドのロジーマス空軍基地に所在する第120飛行隊で全機が運用されます。イギリス空軍によると、ロジーマスでの運用開始は2020年秋を見込んでいるとのことです。
<出典・引用>
イギリス空軍 プレスリリース
ボーイング プレスリリース
Image:RAF Crown Copyright 2019
(咲村珠樹)