墜落事故の後、改良作業が続くボーイング737MAX。これについてメーカーのボーイングは2019年12月16日(現地時間)、2020年1月より737MAXの生産を一時中断すると発表しました。これによる従業員の解雇などは予定されていないとのことです。
ボーイングの声明によると、この決断に至った原因としてFAA(アメリカ連邦航空局)の安全審査が2020年にずれ込むため、としています。これ以前にFAAは連邦議会の聴聞会で、737MAXはまだ安全審査を行える状態でないことを証言しており、これを受けての決定となります。
墜落事故を受けて、FAAをはじめとする各国の民間航空を管掌する機関では、航空会社に対し737MAX各タイプの運航停止を命じていますが、ボーイングではこの間も、大量に積み上がっている受注分の生産を継続していました。ボーイングによると、顧客に引き渡せず保管されている737MAX完成機が約400機あるとしています。
今後も運航停止措置が長引いた場合、さらに多くの完成機が顧客に引き渡せずに保管されることとなり、かなりのスペースが必要となります。このため、ボーイングは完成機の顧客引き渡しを優先することとし、新たな737MAXの製造を一時中断することにしました。
ボーイングや、その関連企業において737MAX生産に携わっている従業員の雇用は保障され、別の737関連の業務につくか、別のチームへ移ることになるとしています。ボーイングでは2020年1月下旬に予定されている、2019年第4四半期の決算発表の場において、737MAXの生産停止に関する財務情報を明らかにすることとしています。
<出典・引用>
ボーイング プレスリリース
Image:Boeing
(咲村珠樹)