フランス、ドイツ、スペインの防衛閣僚会合がパリで行われ、2020年2月20日(現地時間)に3か国が共同開発する次期戦闘機FCASの技術実証機製造に関する覚書に調印しました。まずは18か月で基礎となる技術の研究開発を進めます。
フランス・ドイツ・スペインが共同開発する次期戦闘機FCAS(フューチャー・コンバット・エア・システム)は、F-22やF-35のさらに次世代となるもの。高度なデータリンク機能を持ち、他の航空機や艦船、レーダーサイトからの情報を得て、1機で複数の無人機(ドローン)をコントロールするという「航空戦闘の司令塔」的存在となる戦闘機です。
パリを訪問したドイツのアンネグレート・クランプ・カレンバウアー国防大臣、スペインのマルガリータ・ロブレス国防大臣の代理であるエンジェル・オリバレス国防長官は、フランスのフロレンス・パルリ軍事大臣と調印式に臨みました。今回はFCASの技術実証機作りに向け、必要となる技術の研究開発に関する覚書となります。
この段階に関与するのは、機体の設計に携わるダッソー・アビアシオンとエアバス、そしてエンジンのサフランとMTUのほか、レーダーと火器管制システムのタレス、MBDAなど。今後18か月間にわたり、総額1億5000万ユーロ(約181億3350万円)の予算が投じられます。
研究開発作業を進め、技術実証機の初飛行は2026年を予定。FCASとしては、2040年までの実戦化を目指します。
<出典・引用>
フランス軍事省 ニュースリリース
ドイツ国防省 ニュースリリース
スペイン国防省 ニュースリリース
Image:フランス軍事省/スペイン国防省/ダッソー・アビアシオン
(咲村珠樹)