アメリカ太平洋空軍の第354戦闘航空団は2020年4月21日(現地時間)、今年から配備が始まるF-35Aの第1陣が、航空団の所在するアラスカ州イールソン空軍基地に到着したと発表しました。日本を含む太平洋空軍にF-35Aが配備されるのは、これが初めてとなります。

 アラスカ州のイールソン空軍基地に所在する第354戦闘航空団は、第18仮想敵飛行隊(F-16)などが所属しており、航空自衛隊も参加する多国間共同訓練「レッドフラッグ・アラスカ」のホスト役を務めています。今回、F-35Aを配備するにあたり、2019年10月10日付で第356戦闘飛行隊(1992年6月10日付で活動休止)を復活させ、パイロットら運用に携わる人員の訓練にあたってきました。

 4月21日に到着したF-35Aの第1陣は2機。上空では同じ第354戦闘空団に所属する第18仮想敵飛行隊のF-16、アラスカ州エルメンドルフ空軍基地に所在する第90戦闘飛行隊のF-22らが出迎え、記念の編隊飛行も実施されています。


 イールソン空軍基地で到着を出迎えた第354戦闘航空団司令官のベンジャミン・ビショップ大佐は「この第1号機はマイルストーンです。この地にF-35Aを迎えられるまでは長い道のりでしたが、同時にこれは今後イールソン空軍基地で何十年も続く道のりの第一歩でもあります」というコメントを発表しています。

 アメリカ太平洋空軍初のF-35A飛行隊を預かる、第356戦闘飛行隊長のジェームズ・クリステンセン中佐は「新しい航空機と任務を持ち込み、基地の人々と航空団に戦闘能力を確立するというのは、大きなことだと自覚しています。我々は(基地が所在する)フェアバンクス、ノーススターボローの一員であり、アラスカの一員です。地域の人々と新たな任務に臨むのは、本当に刺激的なことです」と、到着後にコメントを残しています。

 アラスカ州には、アンカレッジのエルメンドルフ空軍基地に所在する第3航空団の第90戦闘飛行隊にF-22が配備されており、第356戦闘飛行隊のF-35Aはアラスカにおける2つ目の第5世代戦闘機部隊ということになりました。イールソン空軍基地には今後、2021年12月までにトータルで54機のF-35Aが配備されることになっています。

<出典・引用>
アメリカ太平洋空軍 ニュースリリース
Image:USAF

(咲村珠樹)