ここ最近「接客業に対する暴言(理不尽な暴言)」がネットなどで話題になっています。勿論、店員が悪い場合のご意見も多く、難しい話題だとは思いますがごく希に理不尽な暴言を吐かれるお客様もいます。
筆者はコンビニをはじめ、宿泊施設、スーパー、外食業を経験し、色々な暴言を受けて仕事をしてきました。そこで本コラムでは今まで働いた中で受けて印象が残っている暴言をまとめていきます。
■ 宿泊費や漫画喫茶の料金が足りないお客様の暴言
1「何でこんなに高いんだよ、値引きしろよ値引きおまえの給料を減らすとかやりようがあるだろ」
2「こんなサービスでこんなにトルノ?私の国では半額くらい。どうしても値下げ出来ない?fu○kfu○kfu○k」
3「この身なり見れば分かるだろ?金無いんだよ?店員さんのお金で泊めさせろよ、あぁ?出来ないって言うのか?かわいそうな人を泊めさせる事が出来ないのここ?」
安くて会員登録の必要がない漫画喫茶やカプセルホテルで、時間通りに退室されなかった方への追加料金の支払いや、後払い施設の支払時によく発生してました。当時勤めていた施設は、カレーが100円で1泊1900円風呂付き。安いをウリにした施設がゆえか、こうした人たちには多く遭遇しました。
■ 購入した物を返品したいお客様の暴言
1「何で商品が返品できないの!そのくらいのサービスは当然でしょ。使えない店員ね」
2「1か月前に買った牛乳なんだけど半分も余ったから返金してちょうだい。え?出来ない?何て使えない従業員なの!役立たず。店長呼んで店長!」
3「さっき別のコンビニで煙草を買ったんだけど、あわなかったわ。残り7本しか残ってないけど全額返金してくれや、あ?出来ない?殴るぞ」
まず1のケースですが、対象は雑貨です。実はコンビニで売られている、携帯電話の充電器やケーブル、子供向けのおもちゃなど、保証書付きの雑貨類はコンビニに対して返品が基本行えません。商品を保証しているのがメーカーだからです。
このためお客様とメーカーで直接やりとりしていただくようになっています。(該当商品は、返品用の電話番号が記載されています)しかし、その旨をお客様に伝えてもご理解いただけずに暴言が来てしまうことがあります。買ったお店に返品できない面倒さは十分わかるのですが、どうしようもなく……。
また、それとは違うパターンで2、3のように「理不尽とは分かっていても押し切れる」と考え行動しているケースもあります。これは使用済み商品を返品したい人によくある傾向。これらは返金対応するまでの居座り行為、他のお客様にちょっかい掛ける迷惑行為も併用して行う場合も多く、最終的には警察への連絡が多いパターンです。
■ 万引き・窃盗犯の言い訳
1「ぎゃー!このおっさんに襲われる!助けて!助けて!おっさんくた○れよおい!」
2「その鞄開けたら警察だからな!、分かってんのか!くそ」
3「俺は有名動画配信者だぞ、捕まえたら分かってんだろうな店員ごときが」
4「(漫画喫茶の)部屋にあった物は全て貰って良いんでしょ?このクッションとかヘッドホンとか、パソコンの部品とか?ダメだって?ふざけんなよ、それをしてこそのサービスだろが」
5「漫画喫茶の本を貰ってはダメって入るときの規約に書いてなかったよ?書いてないお店の落ち度じゃないの?店員さん、規約に書いてないあんたが悪いよ、だから持って帰るぞ。おい聞いてんのか?」
コンビニやスーパーだけじゃなく、漫画喫茶にも万引き窃盗は多く、パソコンや漫画関連まで持って行こうとする人もちらほらいます。そういう人に限って大きな声で暴言をまき散らすことが多かったですね。
■ コンビニやスーパーの袋有料化について
1「袋が有料だって?この店は袋にお金取るんかい、ダメな店だね私が仕事してた時代は袋にお金なんて取らなかったよ。だからこの袋はタダだ、いいね」
2「(持参したスーパーの袋と)大きい袋と交換してくれよ!値段はどれも同じなんだろ?同額の交換だ文句ないだろ」
3「他の店では袋は無料だ!!もう2度と来ないわ、来て欲しいなら無料にしろ」
4「袋、7月からお金掛かるんだろ?じゃあ今は無料なんだろ、300枚くらいくれよ無料なんだろ?おう」
コンビニやスーパーなどのレジ袋有料化義務が7月1日に実施されます。それに先行して既に一部で行われていますが、先行有料化のお店では「他のお店では無料なんだから無料にして」というものから、やや無茶な「持参した袋と交換してくれ」という要求や暴言がこのところ多くなっています。
7月からの有料化ではますます問題は大きくなっていると思いますので、今のうちから店側も対策を練った方が良いかもしれません。暴言では無いですが、「まだ無料だろ?大きい袋2000枚ほしいから2円切手2000枚を2000回にわけて売ってくれ」と言われ、困惑したこともありました。
■ その他、ちょっと理解が出来なかった暴言
1「煙草買ったけどライターないんだ、ライター寄越せよ」
2「雨が降ってて気に入らない、店員どうにかしてくれ」
3「コロナの影響で立ち読みさせてくれないなんて、コロナをどうにかしろよ」
4「家なし、漫画喫茶で生活をしてるが、実は俺は正義のサタンなんだ、ここで働かせて」
5「実は内緒にしてたが正義のサタン兼ここのコンビニの社長なんだ、ここで働かせろ」
6「この日本人形、雪で濡れてしまった、店員のせいだぞどうにかしろ!」
7「キックボードを店内で乗っていけないって法律にあるのか?てめぇが勝手に決めた事だろ、外に置いて盗まれたらどうしてくれるんだ!」
8「トイレが(他のお客様が使っていて)閉まっている、早く開けないと漏らすぞ!!」
理解が出来なかったと言うよりは、意味は分かっても対応が出来ない程の理不尽な話ですね。接客業を長くやっていると、このような理不尽な事も発生します。
特に印象に残ったのは「正義のサタンだから働かせてくれ」と言うお客さんですね。その後、別のお客さんのお子さんを指でっぽうでバンバン言って泣かせてしまい警察を呼んだりと……大分前の話ですが、今でも鮮明に思い出せてしまいます。
接客業で働いていると色々な人に出会います。それが楽しいので10年も接客業をつづけていますが、働く仲間には新人さんから接客業が苦手だけど仕方なくそこで働いている、という人も存在しています。そうした人たちが暴言を受けたとき……。
接客業の皆さん、ここに、これだけ暴言を受けた現役コンビニ店員兼ライターもいます。もし、仕事で少しでも落ち込むことがあったんら……この記事をみて「自分まだましかも!」なんて笑って明日に繋げて貰えれば幸いです。
(戦魂)