NATO連合航空部隊司令部は2020年7月15日(現地時間)、無人偵察機RQ-4Dフェニックスの3号機が運用基地であるイタリア、シチリア島にあるシゴネラ空軍基地に到着したと発表しました。2020年6月に初度運用能力を獲得し、初の任務を実施したNATOのRQ-4Dは、着々と数を増やしています。
全部で5機のRQ-4Dを取得するNATOにとって、3号機の到着で全体の半分が揃ったことになります。NATO連合航空部隊の地上偵察管理局で、ゼネラルマネージャを務めるフォルカー・サマンス准将は「NATO3号機がカリフォルニアから、ここシゴネラへとやってきたのは、連合地上偵察機調達計画における大きな節目です。シゴネラで3機を運用できることにより、完全作戦能力獲得までの試験や、要員の習熟訓練がより迅速に進められます」とのコメントを発表し、3号機の到着を歓迎しました。
7月にNATO連合地上偵察部隊の司令官に就任したばかりのヒューストン・キャントウェル准将は、RQ-4Dフェニックス3号機の到着を見守った1人。「着任して早々、素晴らしいデビューになりましたね。NATO加盟国における最先端の情報集・偵察能力を確立させる道のりで、また大きな節目を迎えたという感じです」と、興奮を抑えられないようなコメントを発表しています。
アメリカのカリフォルニア州を出発し、アメリカ大陸と大西洋を横断してイタリアのシチリア島まで、という今回のフライトは、シゴネラの地上偵察機運用基地にいるパイロットが実施したもの。現地時間の7月14日、朝7時47分にエドワーズ空軍基地を離陸したRQ-4Dは、そのまま無着陸で22時間弱飛行し、シチリア島のシゴネラ空軍基地に到着しました。
NATOが5機調達するRQ-4Dフェニックスは、ノースロップ・グラマンRQ-4グローバルホークのブロック40をベースに、NATO独自の偵察機器を搭載したもの。残りの2機も2020年中にシゴネラ基地に到着し、早期の完全作戦能力獲得を目指します。
<出典・引用>
NATO ニュースリリース
Image:NATO
(咲村珠樹)