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アメリカ空軍が極超音速ミサイル空中試験を終了 2020年中のブースター試験へ

 アメリカ空軍とロッキード・マーティンは、極超音速空対地ミサイルAGM-183Aの2回目となる空中試験をカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地で実施し、必要なデータ収集に成功したと発表しました。今後はブースター試験に移り、2年かけて発射試験を重ねる予定です。

  •  ミサイル迎撃システムの高度化により、地上攻撃用のミサイルは迎撃が困難なマッハ5を超える極超音速で飛行することが技術的目標となりました。

     この速度域に達すると、飛行する物体の前方には押しのけきれなかった空気が重なって圧縮され、大きな抵抗と熱を発生させます。極超音速兵器を実現するには、その速度域まで加速させるブースターや操縦システムと同時に、高温高圧の状態でも性能を発揮できるセンサーと誘導装置、弾頭が必要となります。

     AGM-183Aはロッキード・マーティンが開発を担当する極超音速ミサイルで、ARRW(空中発射高速レスポンス兵器=Air-launched Rapid Response Weapon)という計画名がつけられています。8月8日に実施された空中試験では、IMV-2(Instrumented Measurment Vehicle-2)と呼ばれるセンサー類の試験モデルが使用されました。


     発射母機となるB-52に搭載されたAGM-183Aはエドワーズ空軍基地を離陸し、カリフォルニア州ロサンゼルス沖のポイントマグー・ミサイル試験場へ。ミサイルに取り付けられた温度センサーやGPS装置などから送られるデータが正常に受信できるか、テレメトリーシステムの動作状況が確認されました。

     アメリカ空軍の兵器開発プログラムを統括するヒース・コリンズ准将は「今回の試験成功は、この計画やチーム、空軍にとって大きな節目となりました。ARRWはゲームチェンジャーとなる極超音速兵器の最初の一歩となります」と、試験成功を受けてコメントを発表しています。

     ロッキード・マーティンで、ARRW開発計画のプログラム・ディレクタを務めるデイブ・ベルガニーニ氏は「新型コロナウイルス禍という困難な状況の中で、私たちのチームは見事にやり遂げてくれました。今回の試験成功は、2020年代初めに予定されている最初のブースター飛行試験へ向かうための前段階といえます」とのコメントを発表しました。

     ミサイルの飛行試験を実施するためには、データが確実に受信できる必要があります。今回の試験成功で、今年中に予定されているブースター試験へのお膳立てが整いました。

     ARRW計画は、できる限り早期の実戦化が図れるよう、研究開発を促進するためのプログラムが設定されています。現在のところ、2020年代の早期に配備開始できることを目標に、開発作業が続けられています。

    <出典・引用>
    アメリカ空軍 ニュースリリース
    ロッキード・マーティン ニュースリリース
    Image:USAF

    (咲村珠樹)

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