2020年は5年に1度の国勢調査の年。9月14日から日本に住むすべての世帯に対し、国勢調査員による調査書類の配布が始まっていますが、中には国勢調査員を装い、マイナンバーや銀行口座など、個人情報をだまし取ろうとする者がいる、とTwitterなどSNSでの報告が相次ぎ、国勢調査2020公式アカウントでも注意を促しています。
いま日本に住む人々は、どのような年齢構成で、どのような暮らしをしているのか……10月1日時点における日本在住者(外国籍を含む3か月以上定住する者)の状況を把握し、国や自治体における行政施策の基礎資料とするため、5年に1度実施されるのが国勢調査。1920年に第1回調査が実施され、2020年の第21回調査は国勢調査100年という記念の年でもあります。
国勢調査は、日本に住むすべての人(世帯単位)が対象となる全数調査。各世帯には、調査の主体となる総務省統計局から委託された国勢調査員(総務大臣が任命する非常勤国家公務員)が訪問し、調査票を配布します。
ところが、この「各世帯を訪問する」という機会をとらえ、国勢調査員を装って個人情報をだまし取ろうとする例が見られます。前回の調査でもあったのですが、今回も調査票の配布が始まった9月14日以降、怪しい人物が国勢調査員をかたり、調査に必要だとしてマイナンバーや銀行口座と暗証番号など、個人情報を不正に取得しようとする手口が、TwitterなどSNSで複数報告されています。
調査票を配布する国勢調査員は、総務省から顔写真入りの調査員証、「令和2年国勢調査」と書かれた青い腕輪、そして調査票を持ち運ぶ「令和2年国勢調査」と書かれた青い手提げバッグを貸与され、調査票配布の際はそれを示すことが求められます。これらの貸与品は調査終了後、回収されることになっています(フリマアプリなどで出品されているケースがありますが、違法です)。
国勢調査の回答は原則として、特設サイトでのオンライン回答(9月14日~10月7日)、または郵送での回答(送付期間:10月1日~10月7日)の2種類。調査票に同封されている返送用封筒には、次の4つの宛先のうち、いずれかが記載されています。
新東京郵便局私書箱85号 令和2年国勢調査 調査事務局
東京多摩郵便局私書箱31号 令和2年国勢調査 調査事務局
新大阪郵便局私書箱15号 令和2年国勢調査 調査事務局
熊本北郵便局私書箱12号 令和2年国勢調査 調査事務局
これ以外の宛先が記載された封筒が入っていた場合、それは国勢調査ではなく、個人情報の不正取得を目的とした詐欺と考えてください。
また、国勢調査についてのメールが送られてきた、との報告も散見されます。国勢調査を実施する総務省統計局では、メールによるお知らせをしていません。メールに記載されたURLは、個人情報を盗み取ろうとする偽サイトです。絶対にアクセスしないでください。
国勢調査の回答票・回答サイトには、マイナンバーを記載する項目はありません。これはマイナンバー法に基づき、税・社会保障・災害対策以外の行政手続きにマイナンバーを利用できないため。国勢調査員にも統計法により、国勢調査の回答票を含む個人情報を見ることが禁じられています。
犯罪者はこのような機会を逃さず、あの手この手で個人情報を得ようとしてきます。少しでも不審なことがあったら、その人の氏名を必ず確認し、お住いの市町村へ連絡してください。市町村では国勢調査に従事している人を把握しているので、その回答があるまでは要請に応じないことが重要です。
https://twitter.com/kokusei2020/status/1305757118327209985
<出典・引用>
国勢調査2020 特設サイト
統計法(e-Gov)
マイナンバー法(e-Gov)
※画像は「国勢調査2020」特設サイトおよび「国勢調査2020」公式Twitterアカウント(@kokusei2020)からのスクリーンショットです
(咲村珠樹)