フランスとオランダの国旗が縦横の違いだけで同じ配色だったり、印象的な色使いというのは割と種類が限られていて、異なるもので配色が似ているというケースがあります。もし同じ場所に、たまたま配色が同じで別のものが並んでいたら……?千葉県の鉄道駅で、そんな場面がTwitterに報告されています。

 Twitterユーザーの「お星さま」さんは、久しぶりに会う大学時代のご友人と待ち合わせのため、成田スカイアクセス線(北総鉄道北総線)で千葉県にある新鎌ヶ谷駅に到着。待ち合わせ場所である東武アーバンパークライン(野田線)の改札で遭遇した光景を「ファミマなのか東武線なのかはっきりしてほしい」と、画像付きでツイートしました。

 画像には「こちらは東武線です」という改札の案内表示が写っており、東武線の部分が上に緑のライン、下に青のラインで強調されているのですが、奥の方には全く同じ配色のファミリーマートの改札内店舗が……これは一瞬混乱しますよね。

 千葉県鎌ヶ谷市に拠点を置く弊社。ツイートの画像が撮影された新鎌ヶ谷駅は最寄駅ではありませんが、同じ市内にあり馴染み深い駅です。

 新鎌ヶ谷駅は、鎌ヶ谷市内にある鉄道の結節点で、東武アーバンパークライン(野田線)、北総鉄道北総線、新京成電鉄新京成線と3つの私鉄路線が交差し、乗り換え駅となっています。ツイートの画像は東武アーバンパークラインの改札で、他社線の改札と間違えないように注意喚起したもの。

 この案内表示を見たお星さまさんは「東武線の改札口なのは分かるけど、上下のラインは何?後ろのファミマと合わせた?」と思ったそうですが、これはファミリーマートの配色に合わせたわけではなく、東武鉄道なりの親切心でつけられたもの。

 実は東武鉄道、野田線に「アーバンパークライン」という路線愛称が導入された2014年4月以降、青と緑の虹をモチーフにした円弧状のロゴマークを使っているのです。広い空と緑豊かな自然の中で人々が暮らす沿線をイメージし、東武グループのロゴカラーでもある「フューチャーブルー」と、緑豊かな自然をあらわす「ブライトグリーン」の2色を上下に重ね、関東地方を半周する路線の形状をイメージした虹の形で表現しています。

東武アーバンパークラインのロゴマーク(資料画像)

 これに合わせ、走っている車両にも青と緑がアクセントカラーとして使われているのですが、60000系電車が上に「フューチャーブルー」のライン、ドア横に「ブライトグリーン」を配しているのに対し、10030系電車の場合は上に「ブライトグリーン」のライン、窓下に「フューチャーブルー」のラインという配色です。

 東武の駅員さんとしてはアーバンパークラインのロゴマークや、上下にラインのある10030系電車に準じて「東武線」の上下に青と緑のラインを加えたのでしょう。しかし構内には、たまたま同じ配色のファミリーマートが出店していたので、そちらに合わせたと思われてしまったのかもしれません。

 導入から7年が過ぎ、沿線ではそろそろ馴染んできたと思われる「東武アーバンパークライン」という路線愛称とロゴマーク。しかし普段利用しない方からすると、ファミリーマートの知名度には及ばないため、一瞬「あれ?」となるのかもしれませんね。

<記事化協力>
お星さまさん(@STAR_Ohoshi)

(咲村珠樹)