見つめられるとちょっと怖い?人の動きに合わせて追うように動く、黒猫6匹の“コワかわいい”作品がツイッターで話題です。

 投稿された動画に写っているのは黒猫のお面をつけた照明器具。黒猫たちは実になめらかに動きます。黒猫の顔もすべて異なり、眠い目の猫はソファに座っているなど、細部へのこだわりも満載です。

 黒猫たちは目を緑色に光らせ、黒猫の前で体を右に動かすと黒猫たちも右を向き、左に動かすと黒猫たちも左を向き、動作を追うように顔を動かします。

 さらに黒猫たちの前で両手を上げると、黒猫たちは「シャー!」という鳴き声とともに目を赤くし、威嚇してきます。その後、手をおろすと、黒猫たちは安心したのか、「ニャー」と鳴いて目を再び緑色に戻します。

右に動くと右を向き

左に動くと左を向きます。

手を上げると目を赤くし威嚇。

 この不思議なかわいさを持つ作品に対し、ツイートの返信欄には「いっぱい置きたい」「ぜひ商品化してほしい」といった購入を望む声のほか、「防犯に良さそう」「子ども用のお化け屋敷で活躍しそう」など、アイデアの活用についても意見が寄せられています。

 黒猫ライトの制作者はPonboksさん(@ponboks)。Ponboksさんは体験型展示やアニメーション、立体工作などの分野で活躍するクリエイターで展覧会での展示やSNSへの実験制作の投稿など、様々な形で作品発表を行っています。

 黒猫ライトの装置には舞台で用いられる方向をコントロールできる照明を使用しており、動作の制御にはDMXという主に照明に用いられる通信手段を使用。ライト同士をDMXケーブルで接続し、DMXコントローラーデバイスから信号を送っているそうです。動作の検知にはマイクロソフトのKinectを使用しており、生きているかのような黒猫の動きを実現しています。

 制作にかかった期間は2日ほどとのこと。普段のプロトタイプ作品の制作は1日で作るようにしているそうですが、こんなに複雑そうに見える装置を2日で作ってしまうとは驚きです。

 Ponboksさんは昨年から続くコロナ禍の影響により、展覧会などリアルでの発表の場がなくなってしまったため、こうしたSNSでの作品発表に力を入れています。

 これまでにも「#不思議のプロトタイプ」をツイートに付け、作品を多数投稿。「しばらくは難しくても、いずれまた展示できる機会にそなえて、技術や表現の実験、体験型展示作品にするための種として進めています」と制作に対する意気込みを力強く語ってくれました。

https://twitter.com/ponboks/status/1400415562019131398

<記事化協力>
Ponboksさん(@ponboks)

(山口弘剛)