手芸のモチーフで人気のスイーツ。いろいろな手法で作られたスイーツは、どれも本物そっくりで美味しそうです。その中でも、シート状のフェルト素材を使った「シートフェルト」で作られたスイーツは、独特の立体感とフワフワした質感がスイーツにマッチし、思わず食べてしまいたくなるようなケーキができるんです。

 シートフェルト愛好家の「あーる」さんは、娘さんの誕生日にシートフェルトでケーキを作ったことがきっかけで、シートフェルトの魅力に引き込まれたという方。シート状のフェルトから立体を作り上げる楽しさや、肌触りや質感といったシートフェルトならではの良さを伝えるため、SNSなどで活動しています。

あーつさんのフェルトケーキ作品(あーるさん提供)

 今回、Twitterに発表した新作は、とある方からの注文で作ったという5種類のケーキ。モンブランに抹茶のロールケーキ、マスカットのタルト、そしてイチゴのショートケーキが2種類あり、どれも色とりどりで美味しそうです。

フェルトケーキ5種類(あーるさん提供)

 5つのケーキを作るのにかかったのは、あーるさんによると1日あたり3時間で4日程度とのこと。「今回の型紙は過去に作ったものを再度利用したため12時間(3時間×4日)でしたが、型紙作成からですと試作する時間も含め、さらに15時間程度かかります」と話してくれました。

フェルトケーキの素材(あーるさん提供)
ケーキの形に縫い合わせる(あーるさん提供)

 シート状のフェルトから立体を作り出すため、ディティール表現は工夫がいっぱい。「クリームは3枚のフェルトを三角になるように接着してねじっています。よりホイップらしくするため、フェルトの太さにこだわりました」とあーるさん。

トッピングの素材(あーるさん提供)
シートフェルトから立体を作り上げる(あーるさん提供)

 スライスされたイチゴの断面も細かな心配りがされています。「パンパステルを使用し、アイシャドウやチーク同様メイクチップでフェルトに着色し、フィキサチーフ(定着剤)で色落ちを防いでいます。ふんわりとボカしてイチゴの断面をグラデーション表現し、さらにラメを重ねることによってみずみすしさを表現しました」と手法を明かしてくれました。確かに、イチゴの断面は細かくキラキラしていますから、ラメが大きな役割を果たしているんですね。

イチゴの断面はパステルで彩色(あーるさん提供)
ラメで仕上げる(あーるさん提供)

 実際のスイーツと同じくトレイに載せてみると、シートフェルト独特のソフトな質感がケーキのフワフワ感となって表現され、本物そっくり。ステッチの入れ方も素敵ですね。

トレイに載せてみたところ(あーるさん提供)
まるでスイーツビュッフェ(あーるさん提供)

あーるさんは、毎月第4日曜日にはシートフェルト作家さんたちが集まってTwitter上で作品を発表する「#シートフェルト作品展」でも作品を発表しています。11月28日の9時~21時に開催される作品展のテーマは、チョコレートのケーキ。作品展のアカウント(@sheetfelt_315)では、過去の作品も見ることができます。

「シートフェルト作品展」のお知らせ(あーるさん提供)

 このほかにも、ご自分のサイト「あーるのハンドメイド研究所」で、シートフェルト作りに役立つ情報や、型紙のデータを提供しているあーるさん。興味のある方は、一度訪れてみるといいかもしれませんよ。

<記事化協力>
あーる 11/28シートフェルト作品展さん(@felt_r_labo)

(咲村珠樹)