おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

アメリカ海兵隊創設246周年 誕生日のケーキカットとランニング大会を実施

update:

 11月10日はアメリカ海兵隊の創設記念日。海兵隊の各部隊では、この時期に恒例のバースデーイベントを実施しています。主な行事はバースデーケーキを切り分けみんなで食べることと、ランニング大会。どちらも海兵隊の伝統として、長く続いています。

  •  アメリカ海兵隊は1775年11月10日、フィラデルフィアでの第2回大陸会議によって設置が決定されました。組織のモデルとなったのは、イギリスの海兵隊。1783年、アメリカ独立戦争を終結させたパリ条約で一旦廃止されますが、議会の要請により1798年7月11日に海軍長官のもと、再度組織されました。

    キャンプ・レジューンの海兵隊バースデーケーキ(画像:USMC)

     創設記念日のバースデーケーキですが、アメリカ海兵隊によると、その始まりははっきりしていないそうです。最も古い記録では1937年、ワシントンD.C.のマリーン・バラックスで開催されたオープンハウスにおいて、司令官のトーマス・ホルコム少将が、海兵隊員の募集が始まったフィラデルフィアの居酒屋「タン・タバーン」をかたどったケーキに入刀したことが分かっているとのこと。

    沖縄キャンプ・ハンセンの海兵隊バースデーケーキ(画像:USMC)

     海兵隊創設記念日の儀式は、第13代海兵隊総司令官のジョン・アーチャー・レジューンが体系化しました。来賓を招き、レジューンのバースデーメッセージと現在の総司令官のメッセージを読み上げ、ケーキカットに移ります。

    第2海兵遠征大隊の海兵隊バースデーケーキ(画像:USMC)
    バースデーメッセージの読み上げ(画像:USMC)

     ケーキカットは部隊の長がサーベルで行い、最初に切り分けられたケーキ(ファーストバイト)は最年長者に、そして2つめは最年少者が食べることになっています。これは海兵隊の精神が、世代を超えて受け継がれることを示すもの。

    ケーキカットする第2海兵遠征大隊司令官のヘンダーソン少将(画像:USMC)
    ファーストバイトは最年長者(画像:USMC)
    最年長者から最年少者へ(画像:USMC)

     2021年の海兵隊バースデーメッセージで、米海兵隊総司令官のデビッド・ヒルベリー・バーガー大将は、アメリカ同時多発テロ20周年に触れ、これまでの対テロ作戦に従事し、退役した人々への感謝を述べています。

     そして「次世代の海兵隊員は、これまでとは異なる場所で異なる作戦に従事している可能性があります。それでも彼らは、これまで脅威や敵から背を向けてこなかった、長く誇り高い海兵隊員の伝統に加わるのです」と語り、変容する未来の安全保障環境においても、海兵隊は国と市民を守るため、いつでも準備万端の状態にあると決意を示しました。

    ケーキを取り分ける沖縄キャンプ・ハンセンの海兵隊員(画像:USMC)

     ケーキカットの儀式と同じく、恒例となっているのがランニング大会。多くは1マイル(約1.6km)の距離を走り、精強さを維持する姿勢を見せるものです。

    沖縄キャンプ・ハンセンのバースデーラン(画像:USMC)

     アメリカ海兵隊は、世界の様々なところに展開しています。イギリス海軍の空母クイーン・エリザベスに派遣されているF-35B飛行隊、VMFA-211ではクイーン・エリザベスの飛行甲板で恒例のランニングを実施しました。

    VMFA-211はイギリス空母クイーン・エリザベスでバースデーラン(画像:USMC)
    イギリス空母クイーン・エリザベスでのバースデーラン(画像:USMC)

     伝統の行事を終え、アメリカ海兵隊は今日も世界のあちこちで任務にあたります。246回目の創設記念日は、アメリカ海兵隊員にとって良い節目となったことでしょう。

    <出典・引用>
    アメリカ海兵隊 ニュースリリース
    画像:USMC

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • マニー上等兵(画像:USMC)
    宇宙・航空

    新兵訓練を見守るアメリカ海兵隊のマスコット犬「マニー上等兵」

  • 「ヤマサクラ-81」文化交流プログラムで親睦を深める日米の参加者(画像:USMC)
    宇宙・航空

    恒例の日米指揮所演習ヤマサクラ アメリカ兵が日本文化を学ぶプログラムも

  • 佐世保基地に接岸するドック型揚陸艦ラシュモア(画像:U.S.Navy)
    宇宙・航空

    アメリカ海軍佐世保基地に新ドック型揚陸艦ラシュモアが到着

  • 実弾を装備して空母クイーン・エリザベスから発艦するイギリスのF-35B(Image:Crown Copyright)
    宇宙・航空

    イギリスF-35B 対テロ作戦で初の実戦投入

  • 陸上自衛隊のMV-22からファストロープ降下するアメリカ海兵隊員(Image:USMC)
    宇宙・航空

    V-22オスプレイが通算60万飛行時間達成 米軍では2050年まで運用予定

  • 沖縄沖で原潜オハイオへの以上訓練をする海兵隊員(Image:USMC)
    宇宙・航空

    アメリカ原潜オハイオ 沖縄沖で海兵隊と尖閣諸島など島しょ戦想定の訓練実施

  • 大統領就任式で演奏する海兵隊音楽隊(Image:USMC)
    宇宙・航空

    アメリカ軍で唯一「大統領のもの」という組織は?バイデン大統領就任式でも活躍

  • イギリスの空母クイーン・エリザベス(Image:Crown Copyright)
    宇宙・航空

    アメリカF-35Bと駆逐艦 2021年もイギリスと統合空母打撃群を形成

  • 宇宙・航空

    アメリカ海兵隊初のF-35C飛行隊が初度作戦能力獲得

  • 宇宙・航空

    アメリカ海兵隊キャンプ・ペンドルトンで射撃競技会開催

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理

  • 松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み
    エンタメ, 芸能人

    松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み…

  • 悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ

  • 11月17日からの平日限定で、「かっぱの挑戦 感謝祭」をスタート
    イベント・キャンペーン, 経済

    かっぱ寿司、おにぎりとかけうどんが平日限定で各82円に 「かっぱの挑戦 感謝祭」…

  • 「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる
    エンタメ, 映画

    「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる

  • ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設
    企業・サービス, 経済

    ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設

  • トピックス

    1. 汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      屋内と屋外で寒暖差が大きく、着る服に悩みがちなこの季節、SNS上で「エアリズムの上にヒートテックを着…
    2. 「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      2025年11月12日午前7時に配信された「State of Play 日本」にて、「ドラゴンクエス…
    3. アカウント1の投稿

      【前編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ある日の調査作業の過程で、SNS「X」上において、急成長中の越境EC大手「Temu」のサポート担当を…

    編集部おすすめ

    1. 「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理

      「シテの花」作者が続報投稿 前担当の不備めぐり編集部と協議、認識を整理

      小学館「週刊少年サンデー」で連載中の漫画「シテの花 -能楽師・葉賀琥太朗の咲き方-」の作者・壱原ちぐささんが11月18日18時、新たな投稿を…
    2. 松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み

      松山ケンイチ「誰も傷つけない悪口選手権」を開始 SNS時代に投げかける新たな試み

      俳優の松山ケンイチさんが11月17日、自身のXアカウント「松山ケンイチ(@K_Matsuyama2023)」でユーモア企画「誰も傷つけない悪…
    3. 悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ

      悔しさと葛藤を語った「シテの花」作者 掲載順問題が大きな反響呼ぶ

      小学館「週刊少年サンデー」で連載中の漫画「シテの花 -能楽師・葉賀琥太朗の咲き方-」の作者・壱原ちぐささんが11月17日、作品の掲載順に関す…
    4. 今年もやってきた“本番環境の事故録” Qiitaの「やらかしアドベントカレンダー2025」開幕

      本番環境などでの失敗談が集結 Qiitaの「やらかしアドベントカレンダー2025」開幕

      稼働中のサーバーでの作業ミスによるトラブルの顛末をつづる「本番環境などでやらかしちゃった人 Advent Calendar 2025」が12…
    5. 床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      頭をぐりぐり動かしながら、床の上を滑っていく1匹のワンちゃん。飼い主さんが「モップ機能つき生ルンバ」と呼ぶビションフリーゼ・せとくんの動画が…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト