中国神話における伝説上の生物「麒麟」を「木の廃材」で再現した作品がツイッターで大きな注目を集めています。麒麟が前足をあげて立ち上がる、高さ3メートルもあるダイナミックな作品です。
この躍動感にあふれる作品を制作したのは廃材再生師(@scrapanimal)こと加治聖哉さん。廃材で原寸大の動物を作るアーティストとして活躍中で、現在は廃材でイワシを1万匹作るという壮大なプロジェクトにもチャレンジしています。
世に太平をもたらす前兆とされる麒麟を制作したきっかけはやはり「平和な世の中になることを願って」とのこと。加えて、近年のコロナ禍において、一日も早く終息することへの願いも込められているのだそう。
角に流木、たてがみにかんなクズ、髭に植物のツル、本体に建築廃材と多素材を融合したという作品の制作にかかった期間は1か月ほど。
通常は実物の写真を参考にサイズや肉感等を表現しますが、麒麟は空想上の生物。どんなポーズなら躍動感が出るか、そのポーズに耐えられる強度や構造、筋肉の付き方などが分からず苦労したのだそう。また、材料が廃材であることにより、寸法が足りなかったり、イメージと違っていたというトラブルにも見舞われました。
そうした生みの苦しみゆえに、自身の作品への愛着が特に強い方だという加治さん。制作中は「お前はイケメンだなぁ」「ほんとにかっこいいわぁ」など褒めながら制作していたのだとか。完成した作品は躍動感やポージングのかっこよさが際立つ素晴らしい出来栄えです。
加治さん自身も「達成感と安堵、自分の予想を上回った出来だったのでうれしかったです」と満足な様子。また、投稿に寄せられた大きな反響に対しては、「この麒麟が見てくれた皆様に平和を届けてくれたらと思うばかりです」とコメントしています。
今回の「麒麟」は加治さんの地元、新潟県村上市にある「老人福祉センターあかまつ荘」にて開催中の個展「SEIYAKAJI WORLD ART MUSEUM 」にて12月19日まで展示中です。
コロナの終息、太平の世を願い、
麒麟を作りました皆さんに平和が届きますように
「麒麟」
3580×2260×1420 pic.twitter.com/VrzXm1kBZa— 廃材再生師:加治聖哉 (@scrapanimal) November 17, 2021
<記事化協力>
廃材再生師:イワシ1万匹作る男さん(@scrapanimal)
(山口弘剛)