見慣れたものを小さくしたミニチュア作品はもちろん可愛いのですが、もとから可愛いものが小さくなると、それはもう「可愛い」が渋滞を起こしそうになるほど。

 そんな「ちっちゃくて可愛いもの」をレジンと樹脂粘土で作っている、ハンドメイド作家のわるるぎさん。作品は1円玉より小さいサイズで、可愛さがギューっと凝縮されています。

 1円玉より小さいサイズで、ぷくぷくと可愛らしいキャラクターを生み出しているわるるぎさん。ハンドメイド作品を作るようになったきっかけをうかがうと、意外にも「クリエイティブな人たちに対する憧れとコンプレックスがあったから」というお答えが返ってきました。

 「インターネットに触れるようになり、世の中にはたくさんのクリエイティブな人がいることを知りました。そして様々なコンテンツを見る中で、作品を作る人への憧れと、何も作れずただコンテンツを消費するばかりの自分が嫌だというコンプレックスが生まれました」

 完成度の高い作品を目にして、圧倒されるばかりだったわるるぎさん。そんな気持ちが少し変化したのは、Twitterでハンドメイド作品の存在を知ったのがきっかけだったといいます。

寝転ぶアザラシ(わるるぎさん提供)

 ハンドメイド作品を楽しむ様々なツイートを見て、これなら自分にもできるかもしれない、とハンドメイドの世界に足を踏み入れたのだそうです。

ペンギンたち(わるるぎさん提供)

 素材に使っているのは、主に樹脂粘土とレジン。既存の型やパーツを使うことなく、すべてオリジナルであることを心がけているそうで「なるべく他人と被らないモチーフを選んでいます」とも話してくれました。

プラスプーンを使ったレジン作品(わるるぎさん提供)

 作品はとても小さくて可愛いのが魅力ですが、わるるぎさんは自身を「手先が不器用」だと思っているとのこと。「でも小さいものが好きで、どうしても作品を小さめにしたくなります。作り始めてから細かいパーツが作りにくいことに気づき、もうちょっと大きくしておけばよかった、とよく後悔します」と苦笑する場面もあるのだとか。

小さなトマト(わるるぎさん提供)

 とても手先が不器用な方が作っているとは思えない作品ばかりですが、作風に共通しているのは、ぷくぷくと丸みのあるキャラ造形。浮き輪にのったひよこと猫は、グラスの中でぷかぷか気持ちよさそうです。

浮き輪にのったひよこと猫(わるるぎさん提供)
浮き輪にのったひよこ(わるるぎさん提供)

 高さ4.5cmというガムボールマシンや、クレーンゲームの筐体に入っているひよこは、特に小さな作品。まるでつぶつぶのような感じで「いいね」の数だけ作ります、というツイートで274匹も作られました。

米粒サイズのひよこたち(わるるぎさん提供)
全部で274匹(わるるぎさん提供)

 レジンで作られたウーパールーパーは、それぞれ微妙に色が異なり、ハンドメイドならではの個性が出ています。つい、お気に入りの子を選んでしまいたくなりますね。

レジンのウーパールーパー(わるるぎさん提供)

 わるるぎさんのように、これからハンドメイド作品作りを始めてみたい、と思われる方には「ハードルを上げすぎないこと」と「とりあえずやってみること」が大切だとアドバイスしてくれました。「自分の作りたいものが作れるとすごく楽しいので、軽い気持ちで挑戦してみてほしいです!」

とろけるアヒル(わるるぎさん提供)

 実は「今でもコンプレックスは解消されていません」というわるるぎさん。「ハンドメイドの楽しさを知ったので、これからも作り続けるつもりです」という言葉からは、自分が目指したい表現が明確になったからこそ、前へ進んでいけるという気持ちが透けて見えるような気がしました。

 気負うことなく、マイペースでわるるぎさんは作品をTwitterに発表しています。アカウントをフォローしておくと、いち早く可愛い新作を目にすることができるかもしれません。

<記事化協力>
わるるぎさん(@warurugi)

(咲村珠樹)