プライズゲームが買えないなら、作ればいいじゃない。

 ゲームセンターにある“バランス崩しゲーム”を自宅に再現してしまった人がXで話題を呼んでいます。投稿された動画に映っている、手作り感満載のゲームは、ひと目見ただけで「あれだ!」と分かるほどのクオリティです。

■ 「週に1台ゲームを完成させる」をモットーにゲームづくりに励むT a Tさん

 XユーザーのT a Tさんが投稿した動画に映っているのは、お菓子をのせて回転する小さな円盤。ゲームセンターによく行く人なら一度は見たことがある、“バランス崩しゲーム”です。

 シャカシャカとモーター音を響かせながら稼働するT a Tさん製バランスゲームは、紙と木でできた手作り感満載のもの。しかしながらゲームの動きや構造は、かなり本格的です。

 遊び方は至ってシンプル。円盤の周囲にはつまみがついており、画面右端に写っている棒状の装置をタイミングよく下げてつまみを押し込むことで、円盤のバランスが崩れ、景品を獲得することができる、というものです。

設定は意外とシビア

タイミングよく押し込むと景品が崩れる

 「週に1台ゲームを完成させる」をモットーに活動しているT a Tさん。クオリティが低くても必ず1週間で仕上げるようにしているそう。

 過去にT a Tさんが作成したゲームを見てみると、10円ゲームや仕分けゲーム、イライラ棒など、どこか懐かしい雰囲気を感じるゲームがたくさん。

 「クオリティが低くても」とT a Tさんは言いますが、タイムラインを遡る限り、クオリティもかなり高いように感じます。もしも子どものときに家にあったら、無限に遊んでいたに違いありません。

■ 下調べはゲームセンターで完結させ、見えない部分は想像力で補う!

 T a Tさんがゲームを作り始めたのは10歳のころ。「メダルゲームを家でもしたいと思った事」がきっかけだそうです。

 10歳から磨いてきたゲーム制作のスキルはかなりのものになっているようで、今回の“バランス崩しゲーム”の制作期間をうかがってみると「2日程度です」との答えが返ってきました。ふ、2日……!?

 1週間に1つゲームを完成させることをモットーにしているとはいえ、わずか2日でこれだけのクオリティのものが出来てしまうとは驚きです。

 しかも下調べはすべてゲームセンターで完結させているとのことで、ゲームセンターでは分からない内部構造などはすべて想像力で補っています。実機をプレイしたり外から観察したりすることはできるとはいえ、それを聞いてしまうと、この再現度にさらに驚かされます。

再現度が高すぎる

 制作にあたって特に難しかった部分は、ゲームのメインとも言うべき「回るテーブル」。T a Tさんはこの部分の制作に全体の7割の時間を費やしたそうです。

 「テーブルの下にはバネが4つあり、バネを中心に置くとバランスを保ち辛くなります。反対に、外に置くと棒で押しても倒れなくなってしまう為、適切な位置にバネを配置するのに、何度もやり直しをしました」(T a Tさん)

 そして地味に気になるのがこのゲームの制作費。T a Tさんは「2000円」と教えてくれました。

 T a Tさんがこれまでに積み重ねてきた、プライスレスの技術力があるとはいえ、これほどのクオリティのものが2000円で作れてしまうとは……。

 親戚にこういう人がいてほしい人生でした。

<記事化協力>
「T a T」さん(@TaT12364250)

(ヨシクラミク)