みなさんは、よく銭湯に行かれるでしょうか?銭湯の桶と言えばケロリン桶が有名ですが、実は関東サイズ(A型)と関西サイズ(B型)があり、東西で大きさが違うのです。

 関東サイズは重さ360g・直径225mm・高さ115mm、関西サイズは重さ260g・直径210mm・高さ100mmと、関西のほうがやや小さめ。

 そもそもケロリン桶は衛生上の問題から、銭湯の桶が木から合成樹脂に切り替えられる時期(昭和30年代後半)に、「風呂桶を使った広告は多くの人が目にするはず」と内外薬品株式会社(現在の富山めぐみ製薬株式会社)が東京温泉(東京駅八重洲口)に置いたのが最初。

 その後、全国の銭湯や温泉、ゴルフ場などの浴室へと波及。以来、延べ250万個も納入し、現在も年4~5万個のペースで納入が続けられています。

 では、なぜ関東と関西で大きさが違うのか?富山めぐみ製薬株式会社の広報さんに聞いてみました。

 関東と関西では銭湯の浴槽の位置が異なり、お湯をかけてから風呂に入る文化のある関西は浴槽が中央に、体を洗ってから浴槽に入る関東は浴槽が背面で銭湯絵があるのが一般的だったのだとか。

 そのため関西では浴槽に入る前に桶で湯を体にかける習慣(いわゆる湯かけ)があり、関東サイズだと容量が2.4リットルもあり重いことから、湯かけがしやすい容量の少ない桶が求められていたそうで、そこで生まれたのが少し小さい関西サイズとのことです。

 関西サイズの誕生時期については記録が残っておらず、正確には分からないものの「初期の頃には全く無かったので、関東サイズほど歴史は長くないものと思われます」と教えてくれました。

 しかし、昔に比べて銭湯自体の数が減ってしまったこともあり、関西サイズのケロリン桶は現在、京都と兵庫の一部の銭湯のみで使われているという状況。今は各家庭にお風呂があるので仕方がないのかもしれませんが、なんだか淋しいですね。

<記事化協力>
富山めぐみ製薬株式会社

(佐藤圭亮)