皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。
今回は、カナダ軍の軽量レーションをご紹介します。
その軽さが重要な、ちょっと特殊なレーションです。
【関連:第23食 インド軍レーション】
●カナダ軍軽量レーション
このレーションの外観は、ダークグリーンのパッケージに黒い文字だけで実に無愛想ですが、何よりも小さくて軽いのが特徴です。
特殊部隊の作戦などに使うために、可能な限り小型軽量に作られているのではないかと思います。
パッケージ表面には、このレーションの名称やメニューなどが2つの公用語、英語とフランス語で書いてあります。
このパッケージは、『メニュー番号3 チェダーチーズ』です。
●パッケージ内容
パッケージの中身です。
・乾燥チーズ ・乾燥パイン&パパイヤ ・ポップタルト ・クリスプバー ・グラノーラバー ・バターキャンディー ・ホットチョコレート ・ライムジュース 2パック ・飲料ミックス用バッグ 2袋
簡単にまとめると、乾燥食品、市販品の菓子、粉末飲料の組み合わせですね。水分を含まない物ばかりなのは、やはり軽量化のためでしょう。
そして何よりも、食事という内容ではなく、おやつの組み合わせという感じですね。これは、ちゃんとした食事の時間を取らずに、手が空いた時に少しずつつまむ、という使い方をするのでしょう。
この辺りは、第11食でご紹介したアメリカ軍のファースト・ストライク・レーションに似ていると思います。
●試食
それでは、実際に食べてみたいと思います。
一番興味があったのが乾燥チーズです。器に出してみると、細かいフレーク状で、カラカラという音が乾燥していることを示しています。食べてみると、サクサクしていますが、味や香りは間違いなくチーズです。チーズ味のスナック菓子といった感じで美味しいです。
乾燥パイン&パパイヤは、その名の通り、パインとパパイヤを乾燥させたものです。自然な甘さで食べやすいと思います。
ポップタルトは市販のお菓子です。薄いクッキーの中にチョコレートが入っています。
クリスプバーも市販のお菓子で、チョコレートで包まれたスナックです。チョコレートは薄いのですが、脂汗が浮くほどの強烈な甘さでした。カナダ人の味覚はどうなっているのでしょうか(笑)
グラノーラバーは、パッケージに飾り気がないのでレーション専用品でしょうか。これもチョコレートで包まれたスナックです。幸いクリスプバーよりも甘さは控え目でした。(もちろんそれでも十分に甘いですが。)
バターキャンディーは、スティック状のパッケージを開けると、ドーナツのような輪っかのキャンディーが11個入っていました。特に変わったところはない普通のバター味のキャンディーですが、何だか懐かしい味でした。
ホットチョコレートは、砂糖とミルク入りのココアパウダーですね。同梱の飲料ミックス用バッグに粉末とお湯を入れて混ぜれば出来上がりです。ミックス用バッグには、ここまでお湯を入れなさい、という線が引いてあます。バッグは、口を閉じて振り混ぜることができるように長くなっています。
ライムジュースは、2パックあり、これも同じ飲料ミックス用バッグで作ります。爽やかな薄味のジュースでした。
菓子類ばかりで食事をした気分にはなりませんが、十分に1食の分量はありました。
将来の糖尿病が心配なメニューですが、長期間の連続使用は禁止されているようです。
【注意してください!!】
カナダ軍レーションを初めとする各国のレーションは、我々民間人が手に入れて食べることを前提としていません。
これらを販売する業者なども、あくまでコレクション品として取り扱っています。
食品としての安全性は、各国政府、製造業者、販売者の誰も保証してくれませんので、万が一食べる場合は、すべて自己責任になります。
(文・写真:Dacho)