「住めば都」という言葉がある一方で、離れてみると、その魅力に気付くのが故郷というものでもあります。

 大阪府出身で、現在は東京都在住のつるばみさんは、最近故郷「関西」の魅力について再認識する機会を得ました。それについて述べた投稿が、Twitterで話題となっています。

「神戸⇄大阪⇆京都の移動にかかる時間的、金銭的コストの低さは圧倒的なアドバンテージやと思う。
関東に住んで思ったけど、固有の面白さがある大都市が3つも繋がる魅力はでかい」

 上記の「発見」を、自身のTwitterから発信したつるばみさん。今回の投稿は、自身の境遇が背景にあったそうです。

 「私が現在交際している方が関西圏在住者で、週末のデートでは、関東に加えて関西へ行く機会も多くなったんです。両方で遊んでいるうちに、関東にはない面白さを感じたのがきっかけです」

 関西に縁のない方に申しますと、いわゆる「京阪神」は、その距離感に大きなアドバンテージがあります。

 具体的な数値で説明すると、まず三都全て人口が100万人を超える大都市。そして全て電車(JR新快速)で移動すると仮定した場合、大阪(梅田)から京都へは約30分の所要時間で運賃は570円、大阪から神戸(三宮)へは約20分で410円、神戸(三宮)から京都は約50分で運賃は1100円となります。(記事執筆時点2022年5月27日の運賃です)

 一方、つるばみさんが今回述べた「アドバンテージ」には、もうひとつの意味合いも有します。それは「文化」。

 「古都(京都市)」「食の都(大阪市)」「港町(神戸市)」と、京阪神にはそれぞれ独立した「色」があります。「京の着倒れ、大阪の食い倒れ、神戸の履き倒れ」「京都で学び、大阪で稼ぎ、神戸に住む」なんて言葉もあるように、まるでじゃんけんのグー・チョキ・パーのごとく、切磋琢磨して発展してきた歴史があります。それはつるばみさんの言葉を借りれば、「固有の面白さ」という唯一無二の魅力。

 さらに、周囲には、奈良・彦根(滋賀)・和歌山・姫路(兵庫)など個性的な地方都市も存在します。こちらもまた、ちょっと足を伸ばせば行ける距離感がウリ。一時期、外国人観光客(インバウンド)から、高い評価を得ていたのも頷けますね。

 反対に、関東圏にはこうした「色」はさほど感じられません。筆者は、つるばみさん同様に、関西出身で関東圏にも在住した経験を持ちますが、どちらかといえば、「似たり寄ったり」のイメージが強くあります。地域特有のものも存在しますが、それは別段「特別性」を感じさせるものではありません。「どこでも一緒」というのもまたひとつの「アドバンテージ」ですが、しかしそれは、「面白みがない」とも捉えられます。

 今回の投稿には、関西に縁のあるTwitterユーザー、そうでないユーザー双方から大きな注目を集めました。一連の反響を振り返り、つるばみさんは、日頃受けている“マウント”も踏まえて次のように振り返っています。

 「関西というのは、日頃からステレオ的で、どちらかといえばネガティブなイメージで語られることが多く、出身者としては悲しい思いがありました」

 「でも今回の私の発信で、多少なりともプラスの反響を集められたのは、とても嬉しいですし心強いですね」

 あなたの故郷の魅力は何ですか?

<記事化協力>
つるばみさん(@trbmkng)

(向山純平)