皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。今回は特別編、陸上自衛隊富士学校の隊員食堂をレポートします。
ラッキーなことに訪問当日は、『当たりメニュー』の日だったようです。
●陸上自衛隊富士学校
陸上自衛隊富士学校は、静岡県の富士駐屯地にあり、普通科(歩兵)、機甲科(戦車・偵察)、特科(砲兵)の指揮官教育を行う機関です。ここで教育訓練を受ける学生の80%は、幹部自衛官(自衛隊の階級についてはこちら⇒防衛省HP:http://www.mod.go.jp/j/profile/mod_sdf/class/)だそうです。話題のアニメ『ガールズ&パンツァー』にも富士学校所属の隊員と10式戦車が登場しますね(笑)
当日、駐屯地を訪れると、まずスライドを使って富士学校及び富士駐屯地の役割や歴史について説明して頂きました。富士駐屯地は、旧日本軍やアメリカ軍から引き継いだ施設ではなく、原野を一から開拓して作られたそうです。そのため、他の駐屯地には『創立記念日』がありますが、富士駐屯地では『開設記念日』と呼ぶそうです。また、富士学校は、上に書いた通り普通科、機甲科、特科の3つの教育訓練を行うため、他の科との連携を学ぶのに大変都合が良いのだそうです。
ブリーフィング後は、リニューアルしたばかりの資料館を見せて頂きました。幕末から太平洋戦争までの旧日本陸軍と陸上自衛隊に関する貴重な資料がたくさん展示されています。明治天皇が着用された軍服などもありました。
そして資料館の入り口には、3人の陸上自衛官の銅像『三人像』が飾られていました。普通科、機甲科、特科の3職種が協力して任務を達成しようとしている姿だそうです。
●装備見学
続いて訓練場へ移動し、装備の見学です。普通科、機甲科、特科からそれぞれが装備する車両や火砲を十数両、隊員さんの説明付きで見学させて頂きました。
目玉は、何と言っても最新鋭の10式戦車です。先日開催された『ニコニコ超会議2』にも登場して話題となったハイテク戦車です。たっぷりと堪能させて頂きました。
●昼食
さて、いよいよ本日のメインイベント、昼食の時間です。駐屯地には、昼食の時間を知らせるラッパの音が鳴り響いています。
隊員食堂へ移動すると、入り口に『ステーキ』と染め抜かれた真っ赤なのぼりが翻っています。何事かと思いながら建物に入ると、献立のサンプルが展示されていて、今日はステーキなのだと分かりました。1食当たり数百円と決められている食費の中で少しずつやり繰りして、たまにこのような豪華なメニューがあるそうで、どうやら特別な日に当たったようです。
献立サンプルの脇には、写真のようなパネルが掛けてありました。東日本大震災の被災各県で生産された食材を使用して応援しようという取り組みのようです。
手を洗って中に入っていくと、トレイを持って食器や料理を順番に取っていくシステムになっています。最後に茶碗か丼かを選んで自分の好きなだけご飯を盛り付けます。私は、茶碗に普通盛りですが、丼に山盛りの隊員さんも見かけます。
食堂内のホールは、とても広いのですが大勢の隊員さん達で混雑していました。
席に座っていよいよ食べます!
献立の内容は、ご飯、ステーキ、コーンスープ、タコと野菜の和え物、グレープジュースです。
やり繰りした豪華メニューとはいえ、やはり高い肉を出せるわけはなく、ステーキはちょっと硬めでした。でも筋っぽさやパサつきは無く、美味しく食べられました。レーションと違って栄養バランスも考えられているようで、付け合せの野菜もたっぷりありました。
コーンスープは、写真では分かりませんが、底にコーンが沢山沈んでいます。甘くて美味しかったです。
グレープジュースまで飲むと、もうお腹はパンパンです。丼に山盛りの隊員さん達の胃袋も尊敬です(笑)
それにしても、数百円でこれだけの食事ができる隊員食堂は、とても羨ましいですね。
●売店
最後に厚生施設にある売店でショッピングを楽しみました。売り場の6割ぐらいは、広いコンビニのような感じで、雑誌や食品などが置いてあります。そして残り4割ほどの売り場に陸自駐屯地ならではの商品が並んでいます。迷彩色やOD色の様々な装備、アウトドアグッズ、自衛隊オリジナルの土産物などなど。
私は、富士学校オリジナルのクッキーを買ってみました。
中身のクッキーは、富士学校のシンボルマークの焼き印入りです。
なお、今年(2013年)は、7月7日に『富士学校・富士駐屯地開設59周年記念行事』が行われ、駐屯地が一般公開されます(富士学校のイベント情報はこちら⇒防衛省HP:http://www.mod.go.jp/gsdf/fsh/event.html)。抽選に当たると10式戦車に体験試乗することができる、と広報担当の方がおっしゃっていました。
(文・写真:Dacho)