モータースポーツであり、航空イベントであるレッドブル・エアレース。その頭脳ともいえるのがレースコントロールです。航空部門のすべてをつかさどるレースコントロール内部をご紹介しましょう。

 レースコントロールは、レーストラックを見渡せる場所にあります。ここはレースを行う航空機の管制塔であり、モータースポーツの審判席です。

 建物はコンテナを重ねたような構造で、似ているものといえば工事現場の現地事務所が近いですね。裏側から内部に入ります。

 階段を上って最上階へ。そこにレースコントロールの青いドアがあります。


 内部で審判長(ヘッドジャッジ)セルジオ・プラ・メリノさんの解説で内部を見てみましょう。

 内部は大きく分けて、航空管制を担う部分と競技の審判席に分かれます。入り口ドアに近い方が航空管制。奥が審判席です。

 レース機には精密なGPSシステムのほか、40ものセンサーが付いており、1秒間に100回の頻度で位置情報を送信しています。これにより、レーストラックのどこにレース機がいるか、地図上にリアルタイムで分かる仕組み。もちろん、タイムも正確に測定できます。

 各ゲートには正面と横、2か所からカメラで撮影しており、インコレクトレベルの測定はこれで行います。


 レース機は高速で三次元の空を動き回るため、このような精密なセンサーシステムが競技のジャッジを行っているわけですね。

(咲村珠樹)