梅雨明けと共に忍び寄る、ビヤガーデンの誘惑。暑い日に冷えたビールをグイっといくのは爽快ですが、つい飲み過ぎてしまうという人も中にはいるのでは。そんな「つい飲み過ぎてしまいがち」な人向けのスマホアプリがツイッター上で話題になっています。

 このアプリは沖縄県保健医療部健康長寿課が2014年からリリースしている「節酒カレンダー」(iOS/Android)というもの。同課が運営している「健康おきなわ21」によると、このアプリをリリースした2014年の報告書には

(1)生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、男女共に全国より高い状況。
(2)アルコール性肝疾患による死亡率(人口 10 万対)は、全国と比較して高く、特に男性は全国平均の約2倍。
(3)未成年の飲酒割合(月1~2日以上飲酒している人の割合)は、全国と比較して高く特に男性は全国の2倍。

とあり、「節度ある適度な飲酒量」を知っている人の割合は、全国の5割に対して沖縄県は2~3割に留まっており、肝疾患の死亡率は、男性が全国ワースト、女性が全国ワースト2という現状。こうした課題を受け、アルコールによる疾患を減らす取り組みの一つとしてこのアプリがリリースされました。

 アプリには沖縄らしく、カレンダーに登場するキャラクターに男性と女性の他に「シーサー」が。このシーサーが酩酊度合いによって変化していくのが可愛いとネット上で話題になりました。

 アプリを起動し設定項目を入力、カレンダーを表示させ、飲んだ日の日付をタップする事で入力画面に。1日の適正飲酒量の目安や病気を高めるリスクのあるアルコール量がまず目に入ります。この画面の「入力」をタップする事で飲んだアルコールの記録画面に。ビールから泡盛、焼酎と続いている辺りはやはり沖縄。一杯の量も各種類で分かれているのでワンタップで入力が完了できます。ユーザーデータも保存できるので、行きつけのお店のドリンクをあらかじめ入力しておくと便利。

 カレンダー右上の「現在の状態」で酔いの深度が、キャラクターの状態と共に分かるようになっています。この酔いの状態は平均的なものですが、ビール1杯くらいなら気分爽快で楽しそうなシーサーさんに。以降、飲むたびにアルコールを入力していくと段々とへべれけになりゆくシーサーさん。泡盛を5合で完全に昏睡期に。よく見るとシーサーさん、失禁している……。この状態、完全に意識のない中毒状態。呼吸麻痺から死に至る危険の高い状態です。こうなるかなり手前でお酒をストップしておかないと、翌朝地獄の二日酔いに、って事も。

アルコールを取り過ぎるとポップアップで警告が


 また、特にこの時期に気を付けておきたいのが、水遊びでの飲酒。毎年何人もの人がお酒を飲んだ後に海や川へ入って死亡しています。酩酊状態では水中での動作も正しい判断もできないので非常に危険です。飲酒後の水遊びでもう一つ怖いのが、アルコールによる脱水症状。飲酒時は特に汗をかきやすく、またビールなど利尿作用の強いものを飲むとさらに脱水が進んでしまいます。しかし飲酒をしているため「水分はとれている」と誤解をし、気が付いた時には脱水による熱中症になっていることは珍しくありません。海や川での水遊びの時にアルコールを摂取する場合には、アルコール以外の水分も忘れずこまめにとりましょう。また、飲酒後に海や川などに入って遊ぶのは絶対にやめましょう。

 沖縄県民以外にも使える「節酒カレンダー」で、お酒と適度な付き合いを。

アルコール依存症を自己診断できるコンテンツも

<参考>
健康おきなわ21 アルコール 他

(梓川みいな / 正看護師)