皆様はじめまして。今回から『ミリヲタ的グルメ』という連載を担当させていただきますDachoと申します。
このコーナーでは、ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していきたいと思います。一般的に注目度の低いカテゴリーだと思いますが、この変な趣味にお付き合いいただけたら幸いです。
さて、世界の兵隊さんたちは、いつも何を食べているのでしょうか?
ナイフを片手に蛇やトカゲを食べるのは、彼らの中でもごく限られた人達だけです。
普段の兵隊さんは、基地内の食堂で我々と同じようなごく普通の食事をしています。
給食か学生食堂、社員食堂のようなものをイメージしていただければいいでしょう。
写真は、陸上自衛隊駐屯地のある日の昼食です。自衛官の皆さんは、もっと大盛りにしていました。
こちらは、アメリカ海軍基地の士官食堂です。とても豪華な感じでした。……味はともかく(笑)
そして演習場や戦地でも、可能な限り温かい食事が提供されますが、それができない場合にはレーションの出番です。
レーションは、長期保存可能な調理済みの食料で、携帯性、耐衝撃性、食べやすさなどが考慮されています。
レーションの魅力の一つは、色々な国の食文化を体験できることです。
どの国も、社会で一般的に食べられている献立をレーションに取り入れるので、各国の食文化が如実に表れます。
ただし、栄養面では、カロリー重視でバランスのとれた食事とは言い難いものが多いので、長期間の連食は体に悪そうです。
それでは、世界各国のレーションをいくつか見ていきましょう。
▼アメリカ軍
これは、日本国内では一番手に入りやすいレーション、アメリカ軍のMRE(Meal, Ready-to-Eat)です。
非常によくできた優秀なレーションです。
▼自衛隊(日本)
我らが自衛隊のレーションである戦闘糧食です。
缶詰は3自衛隊共通の戦闘糧食I型、ビニールパックは陸上自衛隊の戦闘糧食II型です。
▼イタリア軍
これは、イタリア軍のレーション(Razione Viveri Speciale da Combattimento)です。
至れり尽くせりで味もよいレーションですが、かなり大きくて重く、これを担ぐ兵士の負担よりも食事の内容を重視した逸品です。
▼フランス軍
フランス軍のRCIR(Ration de Combat Individuelle Rechauffable)です。
味の評価は世界でもトップクラスで、使い勝手の良いレーションです。
世界には、他にもたくさんのレーションがあります。
次回からは、それぞれのレーションをもっと詳しく見ていきましょう。