2018年8月3日(アメリカ東部時間)、アメリカ海軍は保有するニミッツ級航空母艦、カール・ビンソン(CVN-70)、エイブラハム・リンカーン(CVN-72)、ジョン・C・ステニス(CVN-74)、計3隻の配置転換を発表しました。
1989年に就役したニミッツ級空母5番艦、エイブラハム・リンカーン(CVN-72)は、1990年の就役以来太平洋艦隊に所属していましたが、2011年に原子炉の燃料棒交換とオーバーホール(RICOH)のため、アメリカ東海岸のノーフォークに移動していました。この船体切断を伴う燃料棒交換作業が終了し、所定の試験が終了したため、再び元の場所である太平洋艦隊へと復帰することになりました。
現在太平洋艦隊に所属し、8月2日までハワイ沖での環太平洋国際合同訓練(RIMPAC)に参加していたニミッツ級空母3番艦、カール・ビンソン(CVN-70)は、ドック入りして能力向上のための改装工事(DPIA)を予定しています。これに備えてピュージェット・サウンド海軍工廠のある、アメリカ西海岸ワシントン州のブレマートンに移動することになりました。
現在ワシントン州ブレマートンに配置されているニミッツ級7番艦、ジョン・C・ステニス(CVN-74)ですが、1995年の就役から年月が経ち、原子炉の燃料棒交換とそれに伴うオーバーホール(RICOH)を行うことになりました。これに伴い、RICOHを行うニューポート・ニューズ造船所があるバージニア州ノーフォークへと移動します。RICOH実施により、ニミッツ級空母はさらに50年の運用期間延長が実現される予定です。
改修に伴う形で、玉突き式に配置転換される3隻のニミッツ級空母。2017年7月に就役した新世代空母のネームシップ、ジェラルド・R・フォード(CVN-78)は、2018年7月15日に試験航海を終えてバージニア州ノーフォークに帰港し、ニューポート・ニューズ造船所で試験航海後の能力検証作業に入っています。2020年に予定される実戦能力獲得も近づき、既存の空母も能力向上とオーバーホールを行なっています。
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)