パイロット育成事業だけでなく、近畿地方をはじめ10府県でドクターヘリの運航を受託している学校法人ヒラタ学園航空事業本部が、2018年8月31日に2機目のエアバスH145ヘリコプターを受領しました。ヒラタ学園としては18機目のヘリコプターとなります。
専門学校のほか、神戸空港島にある神戸エアセンターや、紀南ヘリポートを拠点に、パイロット育成や航空運送事業を行なっているヒラタ学園。2003年、和歌山県のドクターヘリ運航受託を皮切りに、現在では大阪府など10府県でドクターヘリの運航を行なっています。
今回受領したH145は、川崎重工と共同開発したBK117D-2のエアバス・ヘリコプター側の名称。従来のBK117よりキャビンが大型化され、エンジン出力も強化されています。また、テールローターに代わり、ファン型の「フェネストロン」を備え、静粛性も高まっているほか、コクピットはマルチディスプレイによる最新式のグラスコクピットとなっています。
ヒラタ学園では、これまでH145よりもひとまわり小型のH135(EC135)を2000年以来、主力ヘリコプターとして導入しており、現在14機のH135を運用しています。H135は、日本をはじめとして多くの国でドクターヘリや救急ヘリとして運用されており、スタンダードな機種ともいえます。しかし、キャビンはストレッチャーを入れると結構ギリギリのサイズであることも確か。
H145(BK117D-2)は、エンジン出力や機体サイズがH135よりひとつ上のクラス。このため、操縦に必要なライセンスも種別が変わり、資格を持つパイロットの数も少なくなってしまうのですが、ヒラタ学園では確保できているようです。2017年12月に受領した最初のH145は、長崎県大村市の国立病院機構長崎医療センターが主体となるドクターヘリとして、2018年6月から運航を開始しています。
2機目のH145がどこのドクターヘリとなるかはまだ明らかになっていませんが、ひとまず神戸空港島内にある神戸エアセンターで試験飛行が行われ、その後救急医療(EMS)の現場に投入されることになります。ヒラタ学園神戸エアセンターに隣接した敷地には、エアバス・ヘリコプターのサービス拠点があり、何かあった際のアフターサービスは万全。このヘリコプターも多くの患者を救ってくれることでしょう。
Image:Airbus
(咲村珠樹)