朝夕の通勤・通学ラッシュ。都市部の交通機関は混雑する時間帯です。しかし、そんな時間帯でもベビーカーを使わざるを得ない事も場合によってはあるんです。そんな、実体験を込めたつぶやきがSNS上で話題になっています。
「恥ずかしい話ですが、以前は『なんで電車混んでるのにベビーカー畳まない人がいるんだろう』って思ってました。 今なら分かる。赤ちゃんを片手で抱えて(しかも暴れたり海老反りになる)、もう片方の手でベビーカー持って揺れる車内で踏ん張るなんて危な過ぎ。赤ちゃん死ぬ。 昔の私をぶん殴りたい」とツイッターに投稿したのは、今年の5月に出産し、現在育休中の“とまとん”さん。昔のご自分をぶん殴る必要はないと思いますが、妊娠・出産・育児を実際に経験していないとこの辺はなかなか理解できない人が多いかもしれません。
https://twitter.com/tomatototon_/status/1077465659729076224
とまとんさんが書いている様に、ぐずってベビーカーから抱き上げた赤ちゃんは、時にぐずり過ぎて体をえびぞらせてしまう事も。ベビーカーのままギャン泣きする赤ちゃんをそのままにしておけば周りの視線が痛いし、あやしても片手で抱っこしながらもう片手でベビーカーを畳むとか、かなり無理。赤ちゃんによっては抱っこひもやおんぶひもを極端に嫌がる子もいたりします。しかも混雑している状態では抱っこひもを嫌がらなくても装着するのはかなり困難。
そして混雑する時間帯にベビーカーで移動しなければならない事も、育児をしていると多々経験します。病院の診察時間などが混雑する時間と重なってしまったり、職場の託児所で子どもをみてもらう為に子連れ出勤となったり、混雑する時間を外す予定で行動しても、途中でおむつを替えたり授乳する場所を探すのに時間をとられた結果、混雑する時間帯に重なってしまったり……。親もわざわざ混雑する時間帯に乳幼児を連れて出ていきたいわけではない事の方が圧倒的に多いのです。これはベビーカーだけではなく子ども用車いすでも同じ事。先天性の障がいなどで体がある程度大きくなっても歩けない、首も座っていない子どもだっています。
こうした状況への理解を広めるため、国土交通省では2014年に「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」を設立。バリアフリー化の進展に伴い子ども連れでの外出が増加してきた結果、公共交通機関等におけるベビーカー利用に関するトラブルや意識の差などが顕在化してきたという課題のもと、ベビーカーの安全な使用方法についてのチラシ等や、ベビーカー利用への理解・配慮を呼び掛けるポスターを作成。
折りたたむことを一律に求めるのは子どもの安全面で困難であり、むしろその事を周囲の方に訴えかける方が重要である事、また、仮に混雑時に折りたたむ事を求めるとしてもその基準を設けることは難しい事から、ベビーカー使用者には周囲の方への接触などに気をつけるよう求めていく事とし、電車やバス内でのベビーカー使用に対する理解を普及・啓発し、子育てのしやすい環境作りを目指す呼びかけをしています。
これから帰省ラッシュで人出が増える時期、子連れやベビーカーでの移動の人も増えます。色んな理由をそれぞれが抱えて交通機関を使っています。思いやりと譲り合いの心、持ち続けていたいですよね。
<記事化協力>
とまとん @育児中7mさん(@tomatototon_ )
<参考>
「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」決定事項の公表について(国土交通省)
(梓川みいな)