「埴輪や土偶もあったらかわいい」という客からの声で生まれた帯留め。この帯留めは、オリジナルデザインのアクセサリーや和小物をネットを通じて製作販売している「FourSeason 雑貨テイストのアクセサリー屋さん」(以下、FourSeason)が製作したもの。

 埴輪、土偶の帯留めは、FourSeasonがもともと「午年の干支に馬のモチーフは何か無いか……」と考えていた時に、大阪堺市の事務所兼自宅から、古墳群の多い奈良の地に移り住んだことがきっかけだったとか。

 どうせ作るなら奈良の土地にゆかりのあるものをと思い、始めは「埴輪の馬」の帯留めをつくったそうです。すると、この埴輪の馬を見た人から「他の埴輪や土偶もあったらかわいい」という声がよせられました。「踊る人々は、踊る催し(踊りの公演の観劇や、盆踊り大会など)土偶もお出かけの時に、博物館や美術館などの観覧にもいいとお思いになったようです」と、FourSeasonの担当者。

 こうして、このちょっと変わった、土偶(遮光器土偶)の帯留め・埴輪(踊る人々)の帯留めが誕生しました。確かに、見た目にもインパクトのあるモチーフなので、催し物には映えそうです。


 FourSeasonには、目安箱のようなリクエスト制度があり「デザインはお任せで、いつ出来るか、そもそも作るかどうかも分からない代わりに、好みでなければリクエストした当人でも購買の義務が無いという大変ゆるいシステムです」とのこと。

 制作するものによって、実現可能かどうか、他所にも同じようなのがないかを検討したう上で商品化されるため、リクエストがあったものの中には何年も塩漬けになっているものもあるそうです。

 因みに、埴輪・土偶の帯留めに関しては、ビジュアルイメージがはっきりしている事と、他店で被ることが無いモチーフということもあり、起案~発売まで約2か月と短い期間でつくられています。

 商品発売後、和装小物としては異色のモチーフということもあり、当初はお客さんから「何に合わせればいいか分からない」という声もあるかもしれないと若干の不安はあったようですが、その思いとは裏腹に、お客さん受けが良いそうです。

 最後に今後どのようなものを作っていきたいですか?と伺ったところ「着けていることで話のきっかけになるような。今までたんすに眠っていた着物を「あ、この帯留があったらこんなコーデが出来るかも」引っ張り出したくなるような。そしてたまに「こんなん何処に行く時に付けてくねん!!」とツッコミが入るような、他所に売ってない物をつくりたいです。帯留めは帯や着物、和装小物と組み合わせることでコーディネートが完成するので、同じ帯留めであってもコーディネートは千差万別です。皆様どんなコーディネートでお楽しみいただいてるのか、是非みてみたいです!!」と、嬉しそうに語って下さいました。

<取材協力>
FourSeason 雑貨テイストのアクセサリー屋さん(Twitter:@fourseason_jiji / HP:f-season.com

(黒田芽以)