ロシアの航空機メーカー、スホーイはロシア最大の国際軍事技術フォーラム「ARMY 2019」会期中の2019年6月27日(現地時間)、ロシア政府と第5世代戦闘機Su-57の供給に関する正式契約を行ったと発表しました。いよいよロシアも第5世代戦闘機を本格導入することになります。
Su-57はスホーイでの社内名称「T-50」として、2010年初めに初飛行を行いました。ステルス性を持つ第5世代戦闘機としては、ロシア初のものとなります。
デザインの特徴としては、同じ第5世代戦闘機であるアメリカのF-22やF-35と比較して、機体の全高が抑えられ平面的な形状となっていること。正面からの面積を小さくし、よりレーダー波が当たりにくくなるよう工夫されています。
また、水平尾翼だけでなく、垂直尾翼も全体が可動する全遊動式になっているのも大きな特徴。垂直尾翼はエアブレーキとしても使用できるようになっています。エンジンの空気取り入れ口前方の部分は、前縁フラップのように可動する高揚力装置(LEVCON)です。
水平尾翼は主翼と同一面上にあり、重なる部分では水平尾翼の形に合わせて主翼後縁が切りかかれています。エンジンには推力偏向ノズルが装備されているので、通常の飛行機ではおよそ考えられないような動きが可能。これは通常の操縦舵面の効果が薄れる超音速飛行時や、空気の薄い高高度でも良好な機動性を確保するためのものです。
すでにSu-57は2018年に増加試作機を含めた調達契約がロシア政府と調印されていましたが、今回の契約で量産型の正式な調達が確定しました。調達価格と機数については明らかにされていません。スホーイによると、Su-57量産初号機の引き渡しは2019年末までに行われる予定としています。
<出典・引用>
UAC プレスリリース
Image:UAC(Sukhoi)
(咲村珠樹)