フランスのフロランス・パルリ軍事大臣は2020年1月7日(現地時間)、フランス軍の新スナイパーライフルのFN SCAR-H PRと、新サイドアーム(拳銃)グロック17の調達を開始すると発表しました。最初のロットは2020年中に納入される予定です。

 現在、フランス軍の選抜射手(マークスマン)用ライフルは、国産のFR-F2(7.62×51mm NATO弾)が使用されていますが、その後継を選定する手続きが2018年に始まっていました。

 フランス軍事省装備総局(DGA)が選定し、2019年12月13日に発表したのは、ベルギーのFNハースタル製SCAR-H PR(PRはPrecision Rifle=精密ライフルの略)。FR-F2と同じ7.62×51mm NATO弾を使用します。

 このSCAR-H PRには、夜間や視界不良時の運用に対応したターゲットスコープ2種(光増幅仕様と赤外線仕様)、発射音を減衰させるサプレッサー、キャリングケースなどがセットになります。調達数は2620丁で、2022年までに全数が納入される予定です。

 また、兵士のサイドアーム(拳銃)としては、オーストリアのグロック17が採用されました。ポリマー樹脂製のフレームとスライドを採用し、軽量化したことで知られるモデルで、従来のPAMAS 50(フランス製)とPAMAS G1(イタリアのベレッタ92Fをフランスでライセンス生産したモデル)を置き換えます。

 このグロック17には、暗所などで役立つレーザーポイントサイトや、隠密行動時に使用するサプレッサーなどもセットとなります。調達数は陸海空軍合わせて7万4596丁。うち陸軍向けが約80%を占め、空軍向け10%、海軍向け8%という配分で、2022年までに全数が調達される予定です。

 これに先立ち、フランス陸軍では次期主力アサルトライフルにドイツH&K製のHK416Fを選定しています。装備の近代化を図る防衛力整備計画(LPM)2019~2025に基づく個人用小火器については、これで全てが出揃いました。

<出典・引用>
フランス軍事省装備総局(DGA) ニュースリリース
スナイパーライフルサイドアーム
Image:DGA

(咲村珠樹)