おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

生と死と愛がぎっしりで涙なしでは見られない―話題の映画『レ・ミゼラブル』

話題沸騰中!映画『レ・ミゼラブル』感想最近もっとも話題の映画ひとつと言えば『レ・ミゼラブル』ですね。
わたしもさっそく見に行ってきました!


  • ――あらすじ

    物語は妹の子どものためにパンひとつを盗んだジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)が19年の牢獄生活から仮釈放されるところから始まります。司教に救われ、仮釈放の用紙を破り捨て新たな人生を始めるジャン・バルジャンと、それを追う警察ジャベール(ラッセル・クロウ)。そして新たな生活でファンティーヌ(アン・ハサウェイ)と出会い、その娘コゼット(アマンダ・セイフライド)を育てることとなります。幸せな人生を送ろうとするたびに追ってくるジャベール、そして学生革命。コゼットは革命のリーダーマリウス(エディ・レッドメイン)と恋に落ちるが……。

    原作は1862年にヴィクトル・ユーゴーが書いた小説であり、今回の映画は3時間にわたるミュージカル映画です。
    余談ですが、わたしはこの映画の予告編でアン・ハサウェイが熱唱している場面に心を打たれたのですが、アン・ハサウェイは前半少しとラストのクライマックスにしか出てきません!(笑)アン・ハサウェイになりたいわたしとしてはちょっと残念ではあったのですが、ジャン・バルジャン扮するヒュー・ジャックマンがとても素敵だったのでオールオッケーです。

    ――ここに注目!

    ●なんといっても音楽!

    オープニングの牢獄で働かされるシーンの音楽(囚人の歌)から引きこまれます。他にも『夢やぶれて』など有名曲が目白押しであり、歌ばっかりになると映画も飽き飽きしてしまいがちですが迫力ある歌ばかりでしたので飽きがきませんでした。歌にストーリーとその役柄の心境がしっかりと盛り込まれていましたしね。

    ●ジャン・バルジャンVSジャベール

    この映画のメインはこの二人の終わりなき戦いですね。観客側としては信心深く優しいジャン・バルジャンに感情移入してしまい、「ジャベールこのくそやろー!」と思ってしまいがちですが、このジャベールも実は信心深く正義感が強いのですよね。ただジャン・バルジャンと方向性が違うだけであって。この二人の葛藤と戦いと心理描写がこの映画で一番注目すべきところでありわたしたち観客をもやもやさせてくれるところだと思います。

    ●学生革命と子役の男の子

    後半の学生革命からラストシーンにかけては、生と死と愛がぎっしりで涙なしでは見られませんでした。最後は拍手喝采したくなりました。それはともかく、この学生革命は歴史上では1848年の六月暴動に当たります。映画では良い感じにまとめられてはいるものの成功していないんですよね。そしてこの革命では一番目立っていた男の子が生意気ででしゃばりで正直で胸が痛くなりました。詳しくは劇場で!

    ●感想

    例えば2チャンネルのまとめサイトでは「歌ばっかりじゃん。」「そんなに話題になるほどいいか?」という意見も聞かれます。ミュージカル映画なので歌ばっかりなのは当たり前といえば当たり前なのですが、この映画では特に歌ではない普通の台詞というのが少なかったように思います。ミュージカル映画が苦手な人にとっては、映画自体も三時間と長いので疲れてしまうかもしれません。

    実はわたしもミュージカル映画って苦手だと思っていた頃があります。『オペラ座の怪人』や『マンマ・ミーア!』など、突然歌い出されると、「歌ってないで話を進めてよ!」なんて感じていました。しかし同じミュージカル映画でも今回の『レ・ミゼラブル』や他にも『フットルース』や『ハイスクール・ミュージカル』などは大好きなので、結局はミュージカルが嫌いかどうかではなくて、映画の内容の好みの問題なのでしょうね。

    好き嫌いは分かれてしまうかもしれませんが、一見の価値ありですので、公開開始からしばらく経ってはいますがまだまだ上映していると思いますので、是非DVDではなく劇場でみることをお勧めします。音楽と映像の迫力がすごいですからね。他にも見所はたくさんあるかと思いますので、お早めに公開終了前にお早めに見にいきましょう。

    『レ・ミゼラブル』オフィシャルサイト
    http://www.lesmiserables-movie.jp/

    (文:ゆきな)

    (C) Universal Pictures

    あわせて読みたい関連記事
  • 映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に
    インターネット, おもしろ

    映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に

  • 「M3GAN/ミーガン 2.0」公式サイトは日本公開中止の告知のみの画面に
    エンタメ, 映画

    映画「M3GAN/ミーガン 2.0」日本劇場公開が突如中止 理由は不明

  • 支援金1億円超のクラウドファンディング不正流用 映画化プロジェクトが中止へ
    インターネット, 社会・物議

    支援金1億円超のクラウドファンディング不正流用 映画化プロジェクトが中止へ

  • 車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス
    インターネット, おもしろ

    車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス

  • 名刺入れの中には半券などがビッシリ
    インターネット, おもしろ

    映画の紙チケットや半券は名刺入れに!映画好きが保管方法を紹介

  • 東洋の魔窟「九龍城砦」を約10億かけ再現 「トワイライト・ウォリアーズ」美術メイキング映像公開
    エンタメ, 映画

    東洋の魔窟「九龍城砦」を約10億かけ再現 「トワイライト・ウォリアーズ」美術メイ…

  • 「昭和元禄落語心中」メインビジュアル
    エンタメ, 舞台

    ミュージカル「昭和元禄落語心中」に黒羽麻璃央と中村梅雀の出演決定&メインビジュア…

  • ホラー映画「ソウX」と婚活イベントが異色コラボ 色んな意味でドキドキしそう
    企業・サービス, 経済

    ホラー映画「ソウX」と婚活イベントが異色コラボ 色んな意味でドキドキしそう

  • 山崎育三郎、明日海りお、古川雄大
    アニメ/マンガ, 舞台・上映

    演出・小池修一郎で「昭和元禄落語心中」がミュージカル化 山崎育三郎の希望で実現

  • 「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」青嵐総合芸術院スピンオフ第2弾 9月6日より上演決定
    アニメ/マンガ, 舞台・上映

    「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」青嵐総合芸術院スピンオフ第2弾 9月6日より…

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • カルビー「超薄切り」シリーズに冬限定“しあわせバタ~”登場 12月8日発売
    商品・物販, 経済

    カルビー「超薄切り」シリーズに冬限定“しあわせバタ~”登場 12月8日発売

  • 事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅れる見込み
    企業・サービス, 経済

    事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅…

  • 民放連、アニメ作品の“そっくり映像”出回り懸念 生成AIに声明
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    民放連、アニメ作品の“そっくり映像”出回り懸念 生成AIに声明

  • 欧州連合の旗(写真ACより)
    インターネット, 社会・物議

    EU、ネット上での児童性被害対策を強化 日本企業にも影響広がる可能性

  • ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応
    ゲーム, ニュース・話題

    ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

  • ロッテ「雪見だいふく」が立体パズル化 メガハウスが11月下旬に新商品
    商品・物販, 経済

    ロッテ「雪見だいふく」が立体パズル化 メガハウスが11月下旬に新商品

  • トピックス

    1. 違和感満載のサイケな銭湯でほっこり入浴 蒲田で開催「脳汁銭湯」体験レポート

      違和感満載のサイケな銭湯でほっこり入浴 蒲田で開催「脳汁銭湯」体験レポート

      旧き良き銭湯が異次元の入浴空間に変身するイベント「脳汁銭湯」が、11月26日から12月7日まで東京・…
    2. この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      学生時代、入りたくても入れない「聖域」のような場所だった職員室。その風景を再現し、自由に探索できる展…
    3. フォロワー1万人超の“焼き芋アカ”が美容アカに SNSで繰り返される「アカウントロンダリング」の構造

      フォロワー1万人超の“焼き芋アカ”が美容アカに SNSで繰り返される「アカウントロンダリング」の構造

      SNS上には今日も、「○○が当たる!」といったプレゼント告知があふれています。いまや日常の景色と言っ…

    編集部おすすめ

    1. 事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅れる見込み

      事業者向け「ASKUL」Web注文、12月第1週に再開 “明日来る”配送は当面遅れる見込み

      アスクル株式会社は11月28日、10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害の復旧状況について第11報を公表しました。 事業所…
    2. 誤表記

      もちづきさん、カロリーを低く表記し謝罪 読者に“チェック”呼びかけ

      漫画「ドカ食いダイスキ! もちづきさん」公式Xが11月27日夜に更新し、作品の一部でカロリーを実際よりも低く表記していたと謝罪しました。当該…
    3. ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

      ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

      バーチャルタレント事務所「ホロライブプロダクション」を展開するカバー株式会社は公式Xにて11月25日、同社のバーチャル空間プロジェクト「ホロ…
    4. 善意の通報が“誤報”に変わるAI時代 女川町のクマ騒動が示した危険性

      善意の通報が“誤報”に変わるAI時代 女川町のクマ騒動が示した危険性

      宮城県女川町が11月26日、公式Xで発信した「クマ出没情報」が、後に「生成AIによるフェイク画像」に基づく誤通報だったことが判明。通報者自身…
    5. エビの代わりに「パイの実」投入!ロッテ公式が送るエビチリアレンジに目を疑う

      エビの代わりに「パイの実」投入!ロッテ公式が送るエビチリアレンジに目を疑う

      ロッテは自社商品の各ブランドサイトで、アレンジレシピを公開しています。その中に「パイの実」をエビチリソースと卵で炒め合わせた「チリ玉パイの実…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト