おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【うちの本棚】170回 勇者ライディーン/蛭田 充(原作・鈴木良武)

今回の「うちの本棚」は、富野由悠季、長浜忠夫両監督のロボット作品の原点『勇者ライディーン』のコミカライズ版を取り上げます。
蛭田 充により「テレビマガジン」に連載された本作は23年を経て初めて単行本化されたもので、アニメ版とは全く違う主人公のビジュアルが特徴となっています。

【関連:169回 伝説巨神イデオン/古城武司、池原しげと(原作・矢立 肇、富野由悠季)】

ライディーン/大都社

  • 本書はテレビアニメ『勇者ライディーン』(1975年4月~1976年3月・NET系列放映)のコミカライズ作品である。

    当時、『マジンガーZ』『ゲッターロボ』と、永井 豪(ダイナミックプロ)、東映動画によるロボットアニメが人気をはくし、それを追い越すものとして企画されたのが『勇者ライディーン』。結果、ロボットアニメブームが起ることにも繋がっていく。

    コミカライズは講談社の「テレビマガジン」で蛭田 充により連載された。
    蛭田 充のコミカライズ作品は『デビルマン』でもそうであったように、元となるアニメのキャラクター設定を敢えて無視したようなところが特徴とも言える。本作でもアニメ版の安彦良和によるイケメンキャラであるひびき洸が蛭田オリジナルのキャラに変更されている。とはいえ、美形適役シャーキンをはじめ、その他のキャラはほぼアニメに準じているので、なぜ主人公だけが変更されたのかは謎である。

    ストーリーはテレビ放送されたエピソードからピックアップしてコミカライズされており、全体を通してほぼアニメ版のストーリーを楽しむことができる。

    アニメ版がかなりの人気を得たにもかかわらず、コミカライズ版は連載が終了したあとも単行本化されることなく月日が流れ、23年を経てから大都社で初めて単行本化された。

    書 名/勇者ライディーン
    著者名/蛭田 充(原作・鈴木良武)
    出版元/大都社
    判 型/B6判
    定 価/800円
    シリーズ名/STAR COMICS
    初版発行日/1998年10月1日
    収録作品/勇者ライディーン(全14話)

    初出:講談社「テレビマガジン」1975年4月号~1976年4月号、1975年夏の増刊号、1976年春の増刊号

    (文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/

    あわせて読みたい関連記事
  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第七十一回 ゴジラVSメカゴジラ 決戦史

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 任天堂が謎の映像「Close to you」を公開 ピクミン新作?ロゼッタ?ファンの考察が過熱

      任天堂が謎の映像「Close to you」を公開 ピクミン新作?ロゼッタ?ファンの考察が過熱

      10月7日22時5分、任天堂が突如として一本の短編CGアニメ「Close to you(あなたのそば…
    2. 警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      インターネットを使っていると、ふとした瞬間に現れる「警告ポップアップ」。 近ごろでは「サポート詐欺」…
    3. 母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      大阪・関西万博をきっかけに、55年前の1970年の大阪万博(以下、70年万博)に興味を抱くようになっ…

    編集部おすすめ

    1. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    2. ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      キーボードに差し込まれたトランプのジョーカーと、その裏に書かれた「げぇむすたあと」の文字。Xユーザーの「たーけ」さんが、たまたま入ったネット…
    3. フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      「みんなの75点より、誰かの120点」を合言葉にドン・キホーテが展開している偏愛メシシリーズ。10月1日に「本当にこの組み合わせが好きな人が…
    4. 将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      オンライン将棋対局サービス「将棋倶楽部24」が、2025年12月31日をもって終了することが発表された。運営する席主の久米宏氏が10月1日付…
    5. pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      アパレルブランド「pium」が9月30日、店舗スタッフの接客に対する多数の指摘や批判を受け、公式Xにて謝罪文を公開しました。併せて再発防止策…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト