NTTドコモが6日発表した、人口統計情報「モバイル空間統計」の提供開始発表について、ネット上で大きな誤解が錯綜している。
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今回の発表はあくまで「ドコモユーザー情報を元にした個人情報が特定できない“統計データ”の提供」だったのに対し、誤った情報は「ドコモが個人情報を販売」と歪曲されたものになっている。
「モバイル空間統計」についてまず説明すると、今回企業などの要望により提供される情報は、最初に個人情報の除去と不可逆暗号化により個人を特定することが不可能なデータにされる。そしてデータを集計・統計してデータをとりまとめ、集計データから少人数エリアを排除し個人が特定されうる恐れのあるデータも除去されここでようやく提供される。なお、これら処理はドコモ内部で実行し作成される。
要するに提供される段階では、確実に個人は特定できない「統計データ」になっている。
情報をよく確認すれば特に問題はない内容と思われるが、今回騒ぎとなった原因は「まとめサイト」と呼ばれる一般ネットユーザーが配信する情報サイトの一部が
・NTTドコモが契約者の携帯電話番号・年齢・大まかな住所・生年月日等のデータを解析して企業向けに有料販売開始←ドコモ「個人情報販売やめてほしかったら連絡しろよ^^」
・【マジで?】ドコモが契約者の性別、年齢、大まかな住所がわかる『ビッグデータ』を企業向けに販売「止めてほしければ申請してね^^」
と誤解を招くようなタイトルをつけ配信したことにある。
記事内容には新聞媒体の記事も転載されているが、記事をよく確認せず、タイトルだけ見た人が大いなる誤解をしてそのまま騒ぎとなっているようだ。
ニュースには何事にも「情報元」というものが存在する。ネット上に流れる情報には確かに信頼に値するものも存在するが、対して嘘や歪曲された情報も多い。
少しでも疑問になることや、意見をもつ記事があればまずソース(情報元)を確認し、きちんと内容を理解した上で情報を他の人に伝える。そういうクセさえつけておけば、こうした問題に巻き込まれることはないだろう。
なお、今回誤ったタイトルをつけて情報を配信したまとめサイトの一部では既に謝罪文を掲載している。
参考:
NTTドコモリリース
「モバイル空間統計の実用化および携帯電話ネットワークの運用データ利用について」
http://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/130906_00.html
モバイル空間統計ガイドライン
http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/disclosure/mobile_spatial_statistics/guideline/index.html
※誤解の元となったまとめサイトのタイトルを追加しました。