書店のBLコーナーかグルメ漫画コーナーに置かれているという一冊の本。BLなのかグルメ本なのか……。見かけて思わず立ち止まり手に取ってしまったという声の多いアンソロジー『食男−食べる男子を見るマンガ-』(Beコミックス ふゅーじょんぷろだくと)がネットで話題となっていました。
■グルメ漫画なのに「エロい」と女子ざわめく
イケメンが一心不乱に食事しているインパクトある表紙のアンソロジーは若手人気作家を連載に起用し、11号まで刊行されている人気シリーズ。
『食男』はタイトルの通り、イケメンが食事をするシーンをメインとした漫画ばかりが掲載されています。しかし、ただ食事をしているだけではなく、例えば口元に焦点が当てられその細かな動きや滴る汁、流れる汗、熱いものを冷ますために吹きかけられる吐息などが、思わず「ドキンっ」としてしまうようなセクシーさで描かれていることも。そのためネットでは「グルメ漫画なのにエロい」と女子たちをざわつかせているのです。
■編集部に話を聞いてみた
編集部に作品人気をたずねてみたところ、読者から評判が高かったのはコミック化もされた東田基先生の『イケメン共よメシを喰え』だそうです。
性欲と食欲の密接な繋がりをひょんなことから発見する主人公の女性編集者が、様々なタイプのイケメンの食事風景を観察するという物語。イケメンの食べる描写があまりにエロい!! と評判だそうですよ。
そして、筆者が個人的に心を鷲掴みされた作品が森世先生の『男子、隣人と食せよ』。住まいが隣人同士で、大学の学科もアルバイト先もたまたま一緒である米田白行と面谷麦。食べることに興味がない米田が面谷と共に食事をしていくうちに、誰かと一緒に食べる喜びに気づいていくというストーリー。
pixivコミックで無料公開されている2話の『春分おでん』は夜桜の下で2人がビールとおでんを食べますが、特に餅巾着を食べる米田が何だか面映ゆく、「今年の花見は夜桜見ながらビールとおでんで決定だな……」と筆者を決意させてしまったほど美味しそうなんですよ!!
食べる描写だけでなく、そのシチュエーションや心の状態にも“美味しい理由”が隠れているということを改めて実感するのがこの作品の素晴らしさ。しかも、森世先生の描く食事がどれもこれもヨダレが出そうなほど美味しそうなんです。
『食男』は2月に発売される12号で一旦ラストを迎え、2017年3月13日発売のコミックBe vol.53よりコミックBeにお引っ越しするそうです。
美味しい物を食べることは幸せですが、美味しそうに食べているイケメンを見るのもこんなにも幸せなんだ……! と実感してみてくださいね。pixivコミックでは、8作品のそれぞれ厳選された1話だけが無料公開中。気になった人はぜひぜひチェックしてみてくださいね!!
(大路実歩子)