夏になると様々なジャンルの音楽で「夏フェス」が開催されますが、ミリタリーにおける「夏フェス」といえば、イギリスで毎年開かれる軍楽隊の祭典「ロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥー」です。今年も世界各国の軍から音楽隊がスコットランドの都エディンバラに集結し、8月1日に開幕しました。これから25日間、エディンバラ城の屋外で美しいマーチングライブが披露されます。
日本でも、毎年秋に東京の日本武道館で行われる「自衛隊音楽まつり」が知られていますが、イギリスのロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥーは、その伝統、規模ともに世界トップレベルのミリタリー音楽イベント。世界各国の軍から数多くの音楽隊が集まってその腕前を披露し、その演奏と演技を目当てに世界中から多くの観客が詰めかけます。2018年は800人のミュージシャンと400人のパフォーマーが、演奏や演技を披露します。
今回初参加となったのはオマーン軍。王(スルタン)立騎兵師団の騎馬パイプバンドと、全員女性によって構成されたマーチングバンドがその妙技を見せます。エディンバラ城の壁面には、その演奏に合わせてオマーンの青い空を映し出すことになっています。また、チェコ軍中央音楽隊とミリタリー・アート・アンサンブルも初参加。チェコ独立100年(第一次世界大戦後の1918年、チェコスロバキアとしてオーストリア=ハンガリー帝国から独立)を祝う、伝統の音楽や踊りを主体にした特別パフォーマンスを見せます。
今回、2018年のテーマはイギリス空軍創設100周年と、スコットランドにおける「青年の年」を記念した「The Sky’s the Limit」。制限は空のごとく……転じて、青天井(制限・限界などない)という意味です。空軍が活躍する舞台である空と、青年の持つ無限の可能性を同時に表現したものといえるでしょう。
イギリス軍の音楽隊は、それぞれの象徴となるタータンチェックをあしらった衣装で演奏。空には花火が打ち上げられ、壮麗な光景が現出します。
「ロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥー」は、イギリスのエディンバラ城で、8月1日から8月25日まで毎日開催されます。もしこの期間中にイギリス訪問の予定がある場合は、この雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
Image:MoD Crown Copyright 2018
(咲村珠樹)