東京の駅は、拡張工事や地下化工事など、常にどこかが工事中。そこには、乗客たちが次の目的地に迷わず行けるように、矢印が壁や地面の至るところに表示されています。そんな日常的に目にしている気にもとめない矢印をモチーフに、あるものを作った人がいました。
日頃から、へんな建物とへんなお菓子を作ったり、建物のコラムを書いたりしているhacoさんが制作した「駅の足元のいろいろな矢印クッキー」。どこかの駅でみかけたようなさまざまな矢印が色鮮やかに表現されています。そもそもどのようなことがきっかけで作られた作品なのか聞いてみたところ、「駅の足元にある矢印が気になって集めていまして。先日その矢印の写真をまとめた写真集を作り、中目黒bonill Galleryで開催された「Books&something2018」 いうイベントで販売したので、購入していただいた方へおまけとして差し上げるために作りました」とhacoさん。
駅の足元の矢印が気になって、かわいい矢印を見つけると写真に撮っていたのですが、その集めた矢印をまとめて写真集を作りました。11/11に中目黒で開催されるBooks & something 2018 https://t.co/sCKKf6aLrB 大福書林さまのブースで販売します。見かけたら是非お手にとって見てみて下さいませ…! pic.twitter.com/Jp5WSoIXay
— haco (@haco_8_5) 2018年10月29日
駅の足元のいろいろな矢印クッキー pic.twitter.com/Lt8wttLU5t
— haco (@haco_8_5) 2018年11月10日
2017年には、共著で「いいビルの世界東京ハンサムイースト」という、ビルの本を出版し、その出版イベントで、建物クッキークイズという「ビルのクッキーの写真をお客様に見せ、どこのビルか当てる」というコーナーで、当てた人にクッキーをプレゼントしたのだそうです。そのコーナーのために建物クッキーと秀和レジデンスクッキーを作ったことと、hacoさんのご友人が出版された「足の下のステキな床」という写真集のイベントで、「足の下の床クッキー」を作ったのが、街の気になるものをクッキーにしてみたら面白いなと思うきっかけになったとか。
この鮮やかなクッキーの色合いは、食用色素(アイシングカラー)を配合して付けているそうで、その鮮やかなクッキーの味が気になり伺ってみたところ「アイシングは粉糖と乾燥卵白と水でできているので、甘くて美味しいクッキーです」とのこと。生地に関しては、寝かせる時間を省くと一時間くらいとか。作業工程の中でも、一番時間がかかるのが上に塗るアイシングの硬さと色の調整。矢印のクッキーも、細かいものは作るのに一時間弱、全て完成するのには半日くらいかかったというのですから、とても根気のいる作業です。
hacoさんは現在、不定期(だいたい月に一度)更新の、「秀和レジデンス」というマンションについてのコラムを書いているそうで、あとはイベントや撮影などで使われるお菓子を作ったりもしているとのこと。そんなアイシングクッキーを上手に作るコツは、やはりアイシングの硬さの調整と色の調整だそうです。「乾燥すると色が少し濃くなるので、それを見越して色を付けたり。複雑な色だと、何種類もカラーを混ぜて作っているので、結構大変です」とクッキー作りに慣れているhacoさんでも、思うような色味を出すのには苦労しているようでした。
最後に、今後挑戦したいものを伺ったところ「たくさんありますが、ヴィンテージマンションをドレスに見立てたクッキーや、かわいいタイルの柄のクッキー、駅の床の柄クッキーなど、建物に関したクッキーや、気になったものをクッキーにして行きたいです」と楽しそうに語って下さいました。
<記事化協力>
hacoさん(Twitter:@haco_8_5 / Instagram:spica.__)
(黒田芽以)