美しいものを見ると、何故か涙が出たり、ため息がこぼれたりする事があります。そんな美しく繊細なビーズ刺繍の作品がSNSに投稿され、見た人の多くを感動させています。

 このビーズ刺繍「夜の女神に星をさずける」は、刺繍作家のPiariさんの作品。「私のビーズ刺繍の大作、完成しました!! とっても頑張りましたので、見ていただけたら嬉しいです」とその作品の写真をツイッターに投稿しています。

 作品の大きさは、縦160mm、横135mm。絵を起こすところから完成まで、おおよそ50時間もかかったという大作です。刺繍に使われたパーツやビーズもかなり多く、作品を作られたPiariさんも数えきれないくらい。一種類のビーズでも3パターンの大きさを使い分けていたりするそうです。

 作品の世界についても解説して頂きました。向かって右側、太陽の様な飾りの付いたとんがり帽子を被り、左側の人物に何かを授けているのは、青色の作品に宿る夜の女神トゥルー。そして左側の、ひざまずいてその力を授けられているのは、オーロラ色の作品に宿る夢の魔法使いドリーマー。青を基調にした作品には、月や星、太陽や十字架といったモチーフがちりばめられ、登場人物の衣類や髪の毛などが、細かなビーズで表現されています。

 「私の作品に宿る神さまたちは、元は神さまの形をしておらず、ひとかけらの涙のつゆだったり持ち主がおらずいのちがなかったお人形や、枯れた花だったりします。 そんな彼らに夢の魔法使いは、誰かを見守る神さまの力を授けます。 これは誰かの寂しい夜の、ひとつぶの涙に夢の魔法をかけて、夜の女神がうまれた瞬間をイメージしています」と、その作品の世界観を解説してもらいました。

 この作品を目にした人からは、「とても綺麗で見た瞬間目を奪われました」「すごく神聖な、教会のステンドグラスのような厳かさを感じました」「素晴らしい作品ですね!」などといった反応が次々と寄せられていました。

 一つの世界観を創造し、それを形にするというのは並大抵な事ではありません。物語の創造主となり、またその世界を思い通りに描く・作るという事自体、また難しい事でもあります。しかし、それを見た人が虜になるイメージや、心の琴線に触れるものは、また別の形となって他の人に受け継がれていくのかもしれませんね。

<記事化協力>
Piariさん(@piaricapiari)

(梓川みいな)