イギリス第2のF-35飛行隊である第207飛行隊が2019年7月17日(現地時間)、訓練先のアメリカからイギリス本国へ帰着しました。これから第207飛行隊は機種転換飛行隊として、イギリス海空軍のF-35パイロット育成を担当します。
7月17日19時50分ごろ、ノーフォークのマーハム空軍基地に到着したのは、正式には2019年8月1日付で発足予定の第207飛行隊に所属する6機のF-35B。これまで訓練が行われてきたアメリカ海兵隊ビューフォート航空基地(サウスカロライナ州)から、10時間かけて大西洋を渡ってきました。途中ではイギリス空軍のボイジャー(A330MRTT)からの空中給油も受けています。
イギリス軍関係者だけでなく、熱心な航空ファンも基地外周で見守る中、編隊を解いたF-35Bは1機ずつ着陸。最初のF-35Bがイギリスに到着した際は、リフトファンを開いたSTOLモードで着陸しましたが、今回は通常の方式で着陸を行っています。
到着した第207飛行隊長のスコット・ウィリアムス中佐を、第1航空団司令官のハーベイ・スミス少将が出迎えます。ウィリアムス中佐は「アメリカとの同盟により、彼の地で充実した訓練を重ねてきました。各人の錬成も順調に進み、本国へ帰還する時を迎えました。これからここマーハムで、F-35パイロット育成任務に当たることを楽しみにしています」というコメントを残しています。
同じくマーハム空軍基地で第207飛行隊を出迎えたスティーブン・ヒリアー空軍参謀総長は「今日、ここマーハム空軍基地に、我が空軍史上最も先進的でダイナミックな戦闘機を装備する2つ目の飛行隊を迎えられて光栄です。これからこの飛行隊で新たなF-35パイロット育成を行うということは、イギリスの独立と安全を守る上で、非常に大きな飛躍になると確信しています」という談話を発表しました。
この日のマーハム基地は、第207飛行隊だけでなく、アメリカ空軍第421飛行隊のF-35Aも2機飛来し、着陸後速やかに燃料補給を行う実戦を想定した「ホットピット」訓練も行われています。
第207飛行隊の発足を控え、マーハム空軍基地にはF-35乗員育成のための地上訓練施設も設けられました。F-35Bは垂直着陸も行うSTOVL機のため、その訓練を実施するランディングパッドも新たに設置されています。
第207飛行隊は8月1日付で正式に発足し、空軍と海軍のF-35操縦要員育成任務に就くことになります。最初の訓練コースがスタートするのは、2019年9月を見込んでいるとのことです。
<出典・引用>
イギリス空軍 プレスリリース
Image:RAF Crown Copyright 2019
(咲村珠樹)