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ひらがなだけの地図「えきのなまえマップ」が公開 子どもたちのためにマピオン運営会社の新入社員が発案

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 地図検索サービス「マピオン」を運営する株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)は、自社の実験サービスを公開する「マピオンテックラボ」で、駅名を中心に表記が“ひらがなだけ”で表示される地図「えきのなまえマップ」を公開しました。また、「マピオン」アプリ版でベクター地図に対応しています。

  •  ONE COMPATHは、1997年に日本初のインターネット地図サービス「マピオン」の提供を開始して以来、地図や位置情報に関する技術や研究の開発をしている会社で、「マピオン」のほか、位置情報ゲーム「ケータイ国盗り合戦」やコミュニケーションアプリ「ふたりの」などの運営もしています。 

     2020年度より順次実施される、小学校~高校までの新学習指導要領では、小学校3年生から授業で地図を活用し、2022年度から高校で地理が必修科目となることが決定。そのため、「地理空間情報リテラシー」(地理的な空間認識や、地理情報を活用する力)の向上が求められています。

     幼児教育においても地図コンテンツは活用されていますが、日本全国のスケールで描かれたものが多く、認識できる空間スケールが狭い幼児にとって理解しにくいものになっています。ONE COMPATHは、そういった背景から、ひらがなを覚えた幼児が自然と地図を読み解く力を養えるよう、「マピオン」をベースに全ての文字がひらがなで表示される「えきのなまえマップ」を開発したとのことです。

     「えきのなまえマップ」は、電車が好きな幼児が多いことを意識し、駅の名前を中心に、自治体の名称もひらがなで表示されます。ちなみに、このサービスは2019年度の新入社員・鹿野健人さんが、OJT研修でアイディアを発表し、実現したものなのだそうです。

     「えきのなまえマップ」発案者の鹿野さんによると、この地図の着想は、鹿野さんのお父さんがかつて作ってくれた「ひらがなで書かれた鉄道路線図」から来ているそうで、「幼い時の私はこの路線図で鉄道駅を徐々に覚え地理感覚を養いました」とコメント。

     この時の経験が、その後大いに役立ち、大学では地理学を専攻したという鹿野さん。「これらの経験を通し、『地理教育』は地理学や地図リテラシーの普及において重要で、子どもの時から地図に触れることが重要だと考えるようになりました」と、開発に繋がった子どもの頃の経験を紹介。

     作成する際は、「どのデータベースを使用するのか」「どのようなデザインにするのか」など、考えさせられる場面があったそうですが、「自分で考えた地図が公開されることを嬉しく思います」と喜んでいる様子。

     「『えきのなまえマップ』は、鉄道に関心がある子どもたちに、どこに何という名前の駅があるのかについて考えながら見てほしいです」と話す鹿野さん。「漢字との切り替え機能があるので、漢字の学習にも役立つと思います。『えきのなまえマップ』が子どもたちの『地理空間情報リテラシー』の向上に寄与できたら大変嬉しいです」と、えきのなまえマップに願いを込めていました。

    情報提供:株式会社ONE COMPATH

    (佐藤圭亮)

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