おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

世界初!ロシア軍空挺部隊が北極圏で高度1万mからの集団降下訓練を実施

update:

 ロシア国防省は2020年4月26日(現地時間)、ロシア陸軍の空挺部隊が北極圏で高度1万mからの集団降下訓練を実施したと発表しました。ロシア国防省によると、この地域での高度1万mからの集団空挺降下は世界で初めてのことだとしています。

  •  今回の空挺降下訓練は、5月9日の大祖国戦争(第二次世界大戦での独ソ戦)勝利75周年と、空挺部隊創設90周年を記念するものとして実施されました。あわせて、極地環境での高高度降下装備(パラシュート、酸素供給装置、再集合のためのナビゲーション装置、空挺用戦闘服)などの実地試験も兼ねているとしています。

     訓練は通常の交換訓練と同様のシナリオで進められました。まず偵察要員が高度2000mから降下し、降下点(ドロップゾーン)の安全を確保する一連の破壊工作を実施します。

     続いて、Il-76輸送機に乗った本隊が高度1万mから降下。HALO(高高度降下低高度開傘)の手順に従い、いったん自由降下してから操縦可能なパラシュート(自由降下傘)を開き、雪原の中発煙筒で示される降下点に向かって降下していきます。

     降下した兵士は隊列を組み、個人装備をソリに載せてスキーで移動。集合地点へ向かいます。

     目標物がない極地の雪氷原に降下した際、部隊が再集合するのは非常に難しくなります。降下した兵士の腕にはコンパスとGLONASS(ロシア版GPS)受信機が装着されており、これらを使って現在位置と集合場所を算出し、部隊集合を図ります。

     万が一、兵士がはぐれたりしないように、無人偵察機も活用されます。無人偵察機にとっては、雪氷原を移動する敵対勢力の兵士を識別する訓練にもなります。

     また、落伍者を収容するための車両として、DT-30PMヴィチャズ兵員輸送車も用意されました。ソ連時代から使われている2連節式の装軌車両で、雪上車としても使用できる全地形対応車(ATV)です。

     空挺部隊の司令官、アンドレイ・セルジュコフ大将とともに訓練を見守ったユヌス・ベク・エヴクロフ国防副大臣は「今日、皆さんは世界で初めて北極圏の高度1万mから新しい特殊パラシュートで集団降下し、戦闘するミッションを完遂しました。北極圏は、夏といえども独特な場所であり、皆さんはそれに適応するよう、湖沼などの地形や道、気象などすべてに精通しなければなりません」との訓示を行なっています。



     北極圏を国土に含むロシアでは、極地における戦技も磨いておく必要があります。かなり特殊な環境ですが、この戦技は極地における遭難者の捜索救難にも応用できそうです。

    ※初出時、空挺部隊司令官の階級を「大佐」としていましたが「大将(ジェネラル・ポルコヴニク)」です。お詫びして訂正いたします。

    <出典・引用>
    ロシア国防省 ニュースリリース
    Image:ロシア国防省

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • INCSEAの合意書に署名するアメリカ(左)ロシア(右)両海軍の代表(Image:U.S.Navy)
    宇宙・航空

    アメリカ海軍とロシア海軍 海上事故防止の定期協議を開催

  • 赤の広場を進むT-34戦車の一群(Image:ロシア国防省)
    宇宙・航空

    当時の戦車も参加!対独戦勝記念日にロシア各地で軍事パレード

  • 北極圏に試験配備されたMiG-31BM(Image:ロシア国防省)
    宇宙・航空

    めちゃ寒い!ロシア北極圏防空のMiG-31試験派遣部隊が第2陣と交代

  • 宇宙・航空

    ロシアの次世代ロケット「アンガラA5」6年ぶり2回目の打ち上げ試験に成功

  • 宇宙・航空

    ロシアの通信衛星「Gonets-M」と軍事衛星「ERA-1」打ち上げ成功

  • 宇宙・航空

    アメリカ駆逐艦が日本海で「航行の自由作戦」 ロシアは失敗と発表もアメリカは否定

  • 宇宙・航空

    ロシア軍向けの最新大型輸送機Il-76MD-90Aの1号機が完成

  • 宇宙・航空

    第3世代のロシア版GPS「GLONASS-K」3号機打ち上げ成功

  • 宇宙・航空

    「国際シェフの日」を祝い各地のロシア軍部隊がごちそう作り

  • 宇宙・航空

    ロシアに供与されたM4シャーマン中戦車 撃沈された輸送船から引き揚げられ博物館へ…

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • ニキータ・ビア氏の投稿
    インターネット, サービス・テクノロジー

    X、API改定しリプライ浄化 報酬目当ての投稿アプリを出禁

  • 「ゆるキャン△」タイアップ 林野火災予防リーフレット
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    消防庁が「ゆるキャン△」とタイアップ 山火事予防を呼びかけるリーフレット制作

  • 派閥争い終結か!?きのこの山とたけのこの里、マックフルーリーで共闘
    商品・物販, 経済

    派閥争い終結か!?きのこの山とたけのこの里、マックフルーリーで共闘

  • ねるねるねるねアイスバー
    商品・物販, 経済

    テーレッテレー♪ねるねるねるねがアイスに変身 “あたりつき”40周年記念商品を発…

  • 福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ
    インターネット, 社会・物議

    福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ

  • 狂愛ストーリー「ホタルの嫁入り」テレビアニメ化 ノイタミナ枠で放送
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    狂愛ストーリー「ホタルの嫁入り」テレビアニメ化 ノイタミナ枠で放送

  • トピックス

    1. 九州の2大巨頭が夢のコラボ 「ブラックモンブランマンハッタン」食べてみた

      九州の2大巨頭が夢のコラボ 「ブラックモンブランマンハッタン」食べてみた

      九州で育った方なら、誰もが知る2つのソウルフード、竹下製菓のアイス「ブラックモンブラン」と、リョーユ…
    2. ニキータ・ビア氏の投稿

      X、API改定しリプライ浄化 報酬目当ての投稿アプリを出禁

      SNS「X」が、ここ最近リプライ欄を埋め尽くしていた「意味不明な“ヨイショ”投稿」に、ついにメスを入…
    3. 覚悟して食べた昆虫食 セミ・ゴキブリ・カブトムシの中で一番おいしかったのは?

      覚悟して食べた昆虫食 セミ・ゴキブリ・カブトムシの中で一番おいしかったのは?

      東京・吉祥寺を歩いていたところ、思わず二度見してしまう自動販売機に出会いました。売られていたのはジュ…

    編集部おすすめ

    1. 生成AI「Grok」を巡りXが安全対策を強化 編集部が体験した監視の実態

      生成AI「Grok」を巡りXが安全対策を強化 編集部が体験した監視の実態

      昨年12月末、画像編集機能を搭載したことで物議をかもした、X(旧Twitter)の生成AI「Grok」。そのGrokをめぐり、Xの公式安全対…
    2. ねるねるねるねアイスバー

      テーレッテレー♪ねるねるねるねがアイスに変身 “あたりつき”40周年記念商品を発売

      クラシエ株式会社(フーズカンパニー)は、発売から40周年を迎えるロングセラー菓子「ねるねるねるね」を記念し、「ねるねるねるねアイスバー」を2…
    3. 福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ

      福岡市、生活保護をめぐるSNS情報を否定 投稿者の開示請求へ

      福岡市は1月13日、SNS上で拡散されている「福岡市で生活保護を断られた母子3人が亡くなった」とする動画や投稿について、「事実ではありません…
    4. クレーンゲーム機「クラウン602」

      タイトー、幻のクレーンゲーム機を全国指名手配 有力情報に賞金10万円

      ゲームセンターの片隅に、あるいは閉店した商店の倉庫に、ひっそりと眠っているかもしれません……。タイトーが今、全国に向けて“指名手配”している…
    5. ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      ぐるなび、個人情報流出を否定 SNS投稿巡り調査結果公表

      飲食店情報サイト「ぐるなび」を運営する株式会社ぐるなびは1月8日、同社の個人情報流出を巡るSNS上の投稿について、公式サイト上で「調査の結果…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト