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特別給付金を桐箱に納める猛者あらわる うかつに使えなくなるからいい!?

 新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言で、経済的影響を受けた人々に対し、一律10万円を届ける特別定額給付金。何に使おうか迷う人も、すでに色々な費用で消えてなくなるのが確定している人もいるかと思いますが、専用の桐箱をあつらえて納める、というびっくりする楽しみ方を思いついた人がTwitterで注目を集めています。

  •  特別定額給付金を納める桐箱をあつらえ、その写真をTwitterに投稿したのは、JagdChinaさん。「特別給付金の有意義な使い道を色々と考えた結果、「無闇に立派な桐箱に入れて仏壇にしまい込み、後々見つけた子孫を困惑させる」ことにしました」という文書とともに、実際にあつらえた桐箱の写真をツイートしました。

     東京・浅草にある桐箱の専門店に注文したという箱は、表に「賜」の箔押し文字が光る立派なもの。職人の卓越した技で、フタを閉めてしまうと境目が全く分からないような仕上がり。JagdChinaさんによると、費用は名入れを含めて1870円とのことで、予想以上にお手頃価格で2度ビックリです。

     お札単体にするのと比べ、わざわざあつらえた桐箱に入れることで、とたんにありがたさが増すとともに、滅多なことでは使えないようなオーラも感じます。いざという時のためにお金を温存する方法としても、これはイケるのでは……?

     JagdChinaさん、続くツイートに「そろそろ書いておきますが、オタクという人種は「いざとなれば手元にあの10万があるしな…」という謎のイキり情緒でクレカで10万行かないくらいの買い物をつい3回くらいやってしまうので、現金10万握りしめて買い物したり口座に入れておくよりずっと経済効果が出るわけです これがレバレッジです」と、この桐箱の効用を説いています。

     お話を伺ってみると、今回の出来事はあくまで「冗談」とのこと。本当に子孫に10万円を残すつもりでやったわけではなく、「そもそも自動車税や公共料金の支払いで9万円以上が消えることが分かっていた中で、残った額でどう遊ぶかを考えた結果です」とのこと。それにしても、桐箱をあつらえるという発想はなかった……というか、桐箱に入れるのは“それなり”の価値があるものなので、箱もそれなりの値段がするのでは、という先入観が邪魔をしていました。

     しかし、もしそのまま大事にしまい込んでおき、自分が死んだ後に遺品を整理する人が見つけたら、一体どんな反応を示すのでしょう。たとえ自分に子や孫がいなくても、兄弟や親戚の子が見つけるかもしれませんしね。

     逆に、中身を使ってしまって箱だけ残しておくのも、また思わせぶりでアリかもしれません。何やらいわくありげな「賜」という桐箱、その中にあったものは一体なんなのか……下手に手垢をつけず、まっさらな状態のままにしておいた方が、より見つけた人の想像(妄想?)を刺激する可能性大。

     もちろん、死ぬ前に見つけられたとしても「これはなぁに?」と聞かれて「さて、なんだったかな、とても大事なものだったんだけれども……」と匂わせて子供達を煙に巻き、楽しむ方法だって考えられます。

     大袈裟な桐箱をあつらえる、という自己満足的な楽しみだけでなく、将来も活用法次第で色々と楽しめそうなアイデア。特別定額給付金を入れるだけでなく、箱をあつらえるだけでも楽しめ、また伝統的な職人の技を堪能して経済を回せる、とても素敵なものに思えます。

    <記事化協力>
    JagdChina〄次元不可能性撹拌機さん(@Jagdchiha)

    (咲村珠樹)

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