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会場が突然真っ暗に!亀梨和也主演ホラー映画「事故物件 恐い間取り」完成記念イベント

 事故物件に住み続け、“事故物件住みます芸人”として活動する松原タニシさんのベストセラーノンフィクション「事故物件怪談 恐い間取り」が、ホラー作品初出演の亀梨和也さん主演で映画化。8月28日からの全国公開を前にした7月21日、映画の完成を祝した完成記念イベントが、東京・寺田倉庫で開催されました。

  •  この「事故物件」とは、殺人・自殺・火災による死亡事故などがあった“いわくつき”の部屋のことを指す、不動産業界の隠語だといいます。映画「事故物件 恐い間取り」は、そんな部屋に住むことになった亀梨さん演じる山野ヤマメの物語。亀梨さんをはじめ、奈緒さん、瀬戸康史さん、江口のりこさん、木下ほうかさんなど、豪華キャスト陣が出演しています。

     そんな作品の出演者に加え、監督の中田秀夫さんも登場する完成記念イベントが、なんと東京臨海部にある寺田倉庫で開催。さらに原作者の松原タニシさんも、現在の自宅である本物の“事故物件”から生中継でリモート参加するとのこと。少し不気味な感じもしましたが、恐る恐る会場に向かいました。

     とは言いつつも、注目作品ということもあり、受付開始1時間前に会場に着いた筆者。しかし、すでに15人も他社の記者やカメラマンが受付が始まるのを待っていました。そのため受付も30分くらい早く始まり、会場に入りました。内部は倉庫ということもあり、薄暗くなっていて不気味なムード。なんだかオバケが出てきそう……。

     イベントでは予告編が流れた後に、主演の亀梨さんを筆頭に出演者と中田監督が登場。亀梨さんは「僕自身、本格的なホラー作品は初めてだったんですが、現場では非常に充実した時間を過ごすことができました」と話し、充実感について「何よりホラーという作品は、ものすごく見てくださるみなさんのことを常に感じながら撮影をしていくんだな、ということを非常に感じました」と、初出演となる本格的ホラー作品の撮影現場について言及。「この夏にみなさんのエンタメのひとつとしていただけたら嬉しいなと、自信を持ってお届けできる作品に参加できたことを嬉しく思います」と挨拶しました。

     続く瀬戸さんは「事故物件は、いつ自分の身に起こるか分からない身近なことだと思います。中田監督が今まで作られてきたJホラー+新感覚の怖さ、そして、笑いどころもあるホラー映画になっています」と語り、江口さんも「この作品はホラー映画なんですけど、ずっと笑いながら撮影をしていた。多くの人に楽しんで見てもらいたい」と挨拶をしていきました。

     続いての木下さんは、唐突に「ほうか道!この度、YouTuberになりました、木下ほうかです」と自身のYouTubeチャンネル名を叫び、挨拶。YouTuberになって約1か月経つそうなのですが「全然人気がない。登録者数が2000人にも満たない……」と自虐の言葉を続け、会場の笑いを誘っていました。これには亀梨さんから「まず映画の宣伝をお願いします!」と突っ込まれ、さらに会場は爆笑。一気に和やかな空気になりました。

     司会から、関西芸人の役を演じたことについて聞かれた亀梨さんは「撮影のだいぶ前から、方言指導の先生からいただいたデータを聞きながら時間を過ごしていたんですけど、それと同時になるべく関西出身の友だちとコミュニケーションをとるようにしていました」と、撮影の裏側を告白。

     撮影を振り返り「本当に難しかったですね」と、言葉づかいの難しさに苦労したという亀梨さんですが、それでも「実際に関西出身の方たちが見てくださって、取材もたくさんしていただいたんですけど『大丈夫だったよ』という声をいただけて、今現在は良かったなと思える」と少し手ごたえを感じた様子。「これから公開して、ぜひぜひ関西圏の方にはその辺も含めて楽しんでいただけたら嬉しいです」と話していました。

     話題が“売れない芸人”を演じたことに及ぶと、亀梨さんは「監督といろいろディスカッションを重ね、どうやったら頑張っているんだけど空回りしている感じが出るか、そういうこともしっかり……ね?」と、相方役を務めた瀬戸さんに話を振ります。瀬戸さんは「コントのシーンがあるんですけど、めちゃくちゃ稽古したんです。すごく稽古したんです……」と役作りを頑張ったエピソードを披露。

     気になるその渾身のシーンは、というと「カットされていたんです」と瀬戸さんは不満気な様子。まさに頑張ってるけれど空回り、という状態だったようです。

     この不満げなコメントに、すかさず中田監督は「2人、上手いんです。見本の芸人さんたちより、完成度が上がってしまって、面白くなりすぎるとおかしいから……」と、慌ててフォローしていました。

     撮影中、ステージで芸が“すべる”経験をした亀梨さんは「ああいう目線を浴びるということが、これまでの芸能生活20年以上なんですけど、ありがたいことに無く来たので、自分はすごくラッキーだったんだなと思いました。何をやっても響かないというのが1番ホラーですよ」と語り、笑いを誘っていました。

     その後、話題は変わり、司会から亀梨さんについての印象を聞かれた奈緒さん。「リハーサルで初めてお会いさせていただいたんですけど、その帰り道にマネージャーさんから『奈緒ちゃん、今まで共演した方で、あんなに最初から緊張せずにナチュラルに話せていたの、今までで1番だよ』って言われたんです」というエピソードを披露。

     奈緒さんは「亀梨さんがすごく親しみやすい空気を最初から出してくださっていて、緊張せずに現場に入れましたし、現場に入ってからも優しくて」と撮影での亀梨さんについて語ってくれました。

     中でも、忘れられないエピソードとして「現場に入ってからも優しくて、(撮影の)次の日に違う仕事が入っていて、その日はけっこう体力を使うシーンが夜まで入っていたんですけど『大変だね、お疲れさま』って亀梨さんが先に帰られて、私が帰る時にスタッフさんから『これ亀梨さんからです』って」と焼肉のお弁当が差し入れされていたことを告白。

     さらに感動した点として「何気なく『私、タン塩が1番好きなんです』って言った言葉を覚えてくれていて、単品でタン塩まで入っていて」と、自分の好みを把握してくれていた気配りに言及した奈緒さん。亀梨さんに「私、あのお肉のご恩は一生忘れません」と言って深々と頭を下げ、感謝していました。

     すると、亀梨さんは「ぜひみなさん、1面で!」と記者たちに声をかけ、笑わせていました。また、共演者たちから「かっこいいですね」と言われると「ついつい(カリスマ性が)出ちゃっていましたね。勝手に出ちゃう時があって、自分自身に恐怖を感じます」と冗談を言うなど、イベントは和やかな雰囲気で進んでいきました。

     しかし、話題が撮影中に起きた恐怖体験に及ぶと空気は一変。亀梨さんは「監督と初めて顔合わせをさせていただいた時に、自分が普段使っている車が急に止まって、松竹さんまで銀座の街を1人で歩いて行きました」と告白。

     松原タニシさんの番組を見て「電気系統は気をつけたほうがいい」ということを知っていた亀梨さん。起こった事態に「『うわっ』と思った」と話し、さらに「実際にタニシさんが現場に来られた日は、扉が閉まらなくなった」と語りました。止まってしまった車についても「修理に出して戻ってきて、信号待ちの時に、また止まって……」と苦笑い。

     この話に奈緒さんも「撮影中に夜起きて、お手洗いに行こうとしたら、男の人の顔が『バッ』と出てきた」と衝撃の告白。その時は「ちょっと、待って!」と言ったら、事なきを得たとのこと。すると、江口さんが「オバケより、生きている人間の方が強いので、そういう時は怒った方がいいんです」と、本当かどうかは不明ですが、アドバイスを送っていました。

     ここで、原作者の松原タニシさんが自宅でもある本物の事故物件から生中継でリモート参加。亀梨さんから「事務所NG出してたんですけど」という言葉に負けず登場したタニシさん。自宅を紹介するタニシさんですが、両脇には「嫉妬深くて、目が合うと、その人の枕元まで行っちゃう」という“みゆきちゃん”と「廃業になった人形屋から引き取った」という“菊姫”の人形が……。

     そうこうしているうちに、画面がプツンプツンと途切れるようになり、中継の画面が落ち、なんと会場も真っ暗に……!少しして、明かりがつくと、目の前には先ほどまでタニシさんの両脇にいた2体の人形が登場!これには出演者たちもビックリ。瀬戸さんは「いたずらが悪質だな……」と、つぶやいていました。

     しかし、ここで奈緒さんが「私(菊姫と)同じような人形を昔から大事にしています」と話し始め「母が仕事に行く前に、私が寂しくないように、枕元にいつも置いてくれていました」と発言。このまさかのエピソードに、会場の雰囲気はもとの和やかな空気に戻り、亀梨さんも「まったく怖い雰囲気がなくなりました」と笑っていました。

     最後に、中田監督は「事故物件に住むことをみんな怖がっているんですが、事故物件に住むことを楽しんでいる精神がタニシさんにはあって、我々もそういうスピリットで、もちろん怖いというのはベースにあるんですけど、怖さ+楽しさ、そしてそれに向き合う、対決するというアメリカンな新しい方法を見つけたいなと思って作ったので、ぜひ見ていただければ幸いです」と話し、イベントを締めくくりました。

    取材協力:松竹株式会社

    (取材・撮影:佐藤圭亮)

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  • 佐藤圭亮Writer

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    静岡県出身、東京都在住。前職は、テレビ番組のリサーチャーとしてテレビ業界に約10年従事。
    現在はライターとして、主に動物癒やし系やエンタメ系、グルメ系の記事を担当。
    食べることが大好き。好きな言葉「おかわり自由」「大盛無料」。座右の銘「ダイエットは明日から」。

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