戦力化に向けて訓練が進む、アメリカ海軍の最新鋭空母ジェラルド・R・フォード。このたび、第12空母打撃群の旗艦となり、搭載する艦載機部隊がCVW-8に決定したと2020年8月24日(現地時間)、アメリカ海軍が発表しました。CVW-8は、現在28か月間のオーバーホールに入っている空母ジョージ・H・W・ブッシュの艦載機部隊でした。
2019年2月からノーフォークでドック入りし、28か月間のオーバーホールに入った空母ジョージ・H・W・ブッシュから配置換えとなり、空母フォードの艦載機部隊となったCVW-8は、通称「Factory」と呼ばれています。第二次世界大戦中の1943年6月1日付で創設され、空母イントレピッドの艦載機部隊として活動しました。
戦後に一旦休止となったCVW-8は、朝鮮戦争勃発にともなって再度現役に復帰。ベトナム戦争への参戦を経て、空母ニミッツの艦載機部隊となっていた1980年には、アニメ「超時空要塞マクロス」にも影響を与えた映画「ファイナル・カウント・ダウン」にも出演しています。
2011年、空母ジョージ・H・W・ブッシュ初めての遠征航海で配属されてからは、その艦載機部隊として任務にあたってきたCVW-8。母艦のドック入りにともない、しばしの休息に入っていました。
現在CVW-8を構成しているのは、F/A-18スーパーホーネットを運用するVFA-34、VFA-37、VFA-97、VFA-213と、E-2D早期警戒機を運用するVAW-124、そしてヘリコプター飛行隊のHSC-9とHSM-70。このうちVFA-213「ブラックライオンズ」の隊長は、女性のトップガン卒業生、レスリー・A・ミンツ中佐(コールサイン:SABRE)です。
CVW-8司令官のジョシュア・A・セイガー大佐は「空母フォードとCVW-8は、ほかの艦や部隊に負けないほどのプロフェッショナルな能力を見せ、海軍航空を大きく飛躍させました。空母フォードをいつでも出撃可能な状態にするため、CSG-12の僚艦とともに働くことを心から楽しみにしています」とのコメントを発表しました。
空母フォードを旗艦とするCSG-12は、巡洋艦レイテ・ガルフ、巡洋艦ゲティスバーグ、そして「Wolverine」の愛称を持つ第2駆逐隊の駆逐艦ミッチャー、ゴンザレス、ウィンストン・S・チャーチル、メイソン、ニッツェ、ベインブリッジの計8隻がフォードと行動をともにします。
CSG-12の指揮をとる司令官のクレイグ・クラッパートン少将は「CVW-8を迎え、CSG-12の編成が完結したことに興奮を抑えられないでいます。艦載機部隊はこの新しいクラスの空母に、比類なき経験をもたらしてくれますし、船の準備ができたなら、すぐにでも敵と戦うことができます」とコメントし、艦載機部隊CVW-8の配属を歓迎しました。
空母フォードは7月25日〜8月5日の期間、11回目の単独航海を実施し、航空機の発着艦訓練やダメージコントロール訓練、乗組員の射撃訓練などを行いました。空母打撃群の僚艦や艦載機部隊も加わり、戦力化へまた一歩近づいています。
<出典・引用>
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)