10月16日は、国連が「世界の食料問題を考える日」として制定した「世界食料デー」。日本も食料自給率が低下するなど、目に見えない形で食料問題が存在します。日本の農林水産業を応援する「#元気いただきますプロジェクト」が、日本の家庭料理に焦点を当て、国産食材を食べるきっかけとなるよう、ドキュメント・ムービーを公開しました。

 世界では飢餓やフードロスなどの食料問題がありますが、日本でも2020年の食料国産率(生産額ベース)が69%にとどまるなど、食料問題と無縁ではありません。特に現在、新型コロナウイルス禍の影響で、国産の農林水産物は売り上げ減少などが生じ、生産者が危機に陥っています。

 農林水産省では、日本の農林水産業を支え、将来にわたって継続できるよう、幅広い消費者に向け、食べて元気になり、生産者を応援する消費を呼びかける「#元気いただきますプロジェクト」を推進中。

 この一環として、新型コロナウイルス禍で生活環境が変化する中、旬の食材や日本の家庭料理に焦点を当て、あらためて「食の大切さ」「国産食材の大切さ」を幅広い世代に呼びかけるドキュメント・ムービー「世界にひとつのレシピ」を作成。10月16日の世界食料デーに合わせて公開しました。

 登場するのは、親元を離れて暮らす男女の参加者3名。それぞれ「思い出の味」を聞いたのち、実家から預かっているものがあります、と手紙を渡します。



 渡された手紙は、それぞれの家族がしたためたもの。そこには、先ほど語っていた「思い出のレシピ」に関する親からの思い出と、そのレシピの作り方が書いてありました。



 いつも食べていた家庭料理ゆえ、参加者たちは作り方を詳しく聞いたことはありません。おそらく、親にとっても当たり前すぎて、あらためて話す機会がなかったのかも。

 手紙に作り方が書いてある……ということで、参加者たちは実際に、自分たちの思い出のレシピを作ってみることに。もちろん、親のしたためたレシピで作るのは初めての経験です。

 自分で初めて「思い出のレシピ」を作る参加者の姿に、それぞれの思い出が重なります。子が育っていく中で、親がどのような思いを抱いていたのか……参加者たちは料理を作りながら、それを追体験しているようです。




 できあがった「思い出のレシピ」を口にする参加者たち。「落ち着く味」や「母の味です」といった感想からは、料理を通して親子がつながっていく様を感じられます。

 親から子へと伝えられていく「家庭の味」と同じように、農林水産業も世代を超えてつながっていくもの。もともと後継者不足が問題化していたところに、新型コロナウイルス禍が打撃を与え、日本の農林水産業は苦しんでいます。日本の農林水産業がこれから先も続けられるよう、少しでも貢献できるようにしたいものです。

 この「世界にひとつのレシピ」公開に合わせ、自分にとっての我が家の味を投稿するSNS企画「#我が家の味自慢」もスタート。ムービーとともに「#元気いただきますプロジェクト」公式サイトの世界食料デー特設ベージに掲載されています。

情報提供:#元気いただきますプロジェクト事務局

(咲村珠樹)