女優の大地真央が名古屋出身の毒舌スーパーレディを演じている、オトナの土ドラ「最高のオバハン 中島ハルコ」。松本まりか演じる庶民のダメンズ女子を舎弟のように扱いながら、世の悩みや不正を毒舌でぶった切る痛快ストーリーです。

 そんな本作が放送される度に話題になるのが、ドラマの各所に散りばめられた名古屋愛。ドラマ内で描かれる名古屋ならではの文化を表したエピソードは、名古屋に馴染みがない方からすると「名古屋ってそんなところなの?」「ドラマとして盛られた話じゃないの!?」と視聴者から驚きの声があがるほど。

 今回はこれまでの中島ハルコのセリフをもとに、ちょっと変にも感じられる“名古屋あるある”を紹介していきます。

-- 名古屋には、ツレを大事にする文化があるのよ。(第1話より)

庶民のダメンズ女子・菊池いづみ役の松本まりか

 「ツレ」とは道連れ・同伴者・仲間・伴侶・配偶者などを表す言葉。名古屋以外でも普通に使われている言葉ですが、名古屋で使われる「ツレ」には人と人とのつながりの濃さがより感じられるというちょっと違ったニュアンスが。

 何かあればツレに頼み、自分が役に立てない場合はツレのツレへ……といった風に頼める&役に立つツレがたくさんいるのが人望の証。日本三大都市ながら助け合いの文化が色濃く残る稀有な都市です。

-- 今は簡素になったけど、私の時代はそりゃ派手で、透明なトラックに嫁入り道具をダーンと載せてね。知ってるでしょ?そのトラックは、決してバックしちゃいけないのよ。縁起が悪いから (第2話より)

 普段は倹約家でも、使うときには豪快に使うのが名古屋人。とくに結婚式はその象徴ともされるイベントで「名古屋の結婚式は派手」とイメージされる方も多いはず。

 その要因になっているのが「嫁入りトラック」という文化。現在は見かけることはほぼありませんが、筆者(東海エリア出身・30代)が子どもの頃は何度か見かけた記憶があります。昔は見栄をはるために豪華に見える嫁入り道具をレンタルすることもあったとか。

 ちなみに結婚式当日に新婦の家の屋根からお菓子をまく「菓子まき」というイベントも。こちらも現代ではなかなか見ませんが、披露宴の余興として会場内で「菓子まき」をする名古屋カップルも多いようです。

-- 知ってるわよね?名古屋では、早慶に合格したって、名大(メーダイ)にすりゃ~ええのに、としか言われないって (第2話より)

菊池いづみを舎弟のように扱う中島ハルコ

 名大とは国立大学である名古屋大学の略称。「東京で狭いアパートで自立して偉いなんて、愛知県民は誰も思わないの。親と暮らして、一人一台車を持って、車で大学に通うのが普通。同じ地域で一生を生きるのが幸せ、ツレコミュニティの中で、持ちつ持たれつ、楽しくやろうという価値観なのよ」というセリフも登場するように“とにかく名古屋にいるのが一番”と考えている方も。筆者の感覚では実際に大学に通う若者よりも、ハルコと同じ中高年の方に多いような気がします。

 原作の著者である林真理子先生もインタビューの中で「やっぱり名古屋の女性たちって面白いのよ!それに性別問わずみんな名古屋愛がすごく強くて、大学を出てもみんな名古屋に帰るじゃない?それと“名大が一番”っていう独特の文化はなかなか東京まで伝わってないのよね」と語っています。

-- 名古屋じゃ一家に一本必ず常備しとる味噌チューブがあるんだわ。その味噌はでぇら美味しいんだけど、しゃびしゃびでも、どろどろでも、とにかくその味噌チューブさえありゃあうみゃうみゃあ言う女なのよ! (第4話より)

世の悩みや不正を毒舌でぶった切る痛快ストーリー

三河地方の味噌後付けおでん

 これはハルコが従妹の聖子(高橋ひとみ)を評して言い放ったセリフ。かなり失礼(!?)な言葉に聞こえますが、それがあながち間違いとも言い切れない名古屋人の味噌愛。

 「味噌カツ」「味噌煮込みうどん」「味噌おでん」など、名古屋メシには味噌を使った料理が多数。みそ汁に溶かす固形の味噌はもちろん、名古屋では液体の甘い味噌も一般的。冷蔵庫のドアポケットに常備している名古屋人も多いはず。

 実際に名古屋で青春時代を過ごした筆者もこの甘い味噌ダレが大好き。田楽や焼きナスにかけたり、炒めたひき肉とコチュジャンと合わせてピリ辛な肉みそを作ったり。結構アレンジが効くのでおすすめです。

 “名古屋あるある”満載のオトナの土ドラ「最高のオバハン 中島ハルコ」は東海テレビ・フジテレビ系全国ネットで放送中。第6話は5月15日23時40分から放送予定です。

情報提供:東海テレビ