おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

ホラー映画のお約束で遊べ!アナログゲーム「フラグのいけにえ」作者に聞く

 ホラー映画を観ていると、必ず「あ、きっと次の犠牲はこのキャラクターだな」と察しがつく場面があります。これをネット用語で「死亡フラグ」といい、ある意味テンプレ化した展開を楽しむ文脈で使われる言葉。

 そんな、映画でおなじみの死亡フラグを題材にしたアナログゲーム「フラグのいけにえ」の作者である「チームさくさく」の皆さんに、本作についてうかがいました。

  •  アナログゲーム「フラグのいけにえ」は、ゲーム創作サークル「チームさくさく」が制作した、カードによって進行するゲーム。プレイヤーはホラー映画に出てくる悪役・殺人鬼やエイリアン、サメなどになって、映画の主人公側である人間たちに死亡フラグを立てていき、狩っていこうという内容。東京ビッグサイトで2021年11月20日~21日に開催された国内最大規模のアナログゲームイベント「ゲームマーケット」にて頒布されました。

    カード

     ホラー映画では襲われる人間側の視点から描かれますが、逆に人間を襲う悪役側に立ってプレイするゲームとして開発されているのが面白いところ。これだけでも興味をそそられる作品なのに、ルールも下記のようにシンプルでプレイする際のハードルが低いのも特長です。

     ・1~3の数字と「死亡フラグっぽいアイテム」が書かれたカードを使って、順番に1人1枚ずつ狙うキャラが描かれた“獲物カード”に置く。
     ・自分の手番で1人の獲物に乗っているフラグの合計数を10にすると獲得(=キャラの死亡)となる。
     ・獲物カードは抵抗して“フラグを折ってくる”ため、必ずしもフラグの合計数が10になるとは限らない。
     ・獲物の抵抗を予想しつつ、出方を探り、見極めてフラグの量を調整し、多くの獲物を獲得した者が勝利

     ルールは非常にシンプルですが、使うカードによって戦略性も楽しめる奥深いゲームとなっていて、1プレイにかかる時間はおよそ30分。プレイ人数も2~4人と気軽に家族や友人と遊べるゲームになっています。

     このゲームの作者「チームさくさく」のゲームデザイナー「赤いたまねぎ」さんは社会人で、高校時代から友人とオリジナルのカードゲームを作っていたとのこと。今作については「オンラインで知り合った友人がゲームマーケットに出展していたのがきっかけで、たくさんの創意工夫にあふれた作品に出会い、自分が大好きな映画を、ボードゲームという形で表現したいと思い制作しました」と語っています。

     特色として、赤いたまねぎさんは「ホラー映画のあるあるをイラストやアイテム等、随所に詰め込んだパロディーゲームとなっているので、映画好き、特にホラー映画やB級映画が好きな方におすすめです」とのこと。いわゆる「お約束」の流れを楽しむゲームということですね。

    パッケージ

     パッケージのイラストを見て、どこかでこんな映画見たことあるなぁ……と既視感を覚えた筆者。その事ついてうかがうと、トビー・フーバー監督によるホラー映画の名作「悪魔のいけにえ」から着想を得た作品タイトルとパッケージイラストになっているとのこと。「あの作品のポスターは扉にたたずむ“レザーフェイス”がとても印象的ですが、本作はいろんな悪役が顔をのぞかせています」と赤いたまねぎさんは語ってくれました。

     ゲーム内容からパッケージイラストまで、細部までこだわり抜かれて作られている「フラグのいけにえ」。作品のイラストを手掛けたのは遥カケルさんで、赤いたまねぎさんによると「クトゥルフ神話TRPGをきっかけに知り合った」とのことです。

     面白い作品を作るにあたり「色々なゲームや作品、もちろん映画にも沢山触れる事で、創作の引き出しを多く持つこと、そして『ここだけは誰にも負けない』くらいの信念を持って創作に取り組むのが、良い作品を作るのに大切だと思います」と、今後創作をはじめる人へのアドバイスも語る赤いたまねぎさん。このゲームの背景には、数多くのホラー映画、B級映画を鑑賞し、死亡フラグとなる「お約束の展開」を知ったからこそ分かるツボが隠されているようです。

    <記事化協力>
    チームさくさくさん(@teamSAKUSAKU)
    赤いたまねぎさん(@H_YKNR)
    遥カケルさん(@KakeruHaruka)

    (戦魂)

    あわせて読みたい関連記事
  • 華の会メール・バナー
    PR

    オトナ世代の恋愛マッチング

  • 華の会メール・バナー
    PR

    趣味でつながる30代からの恋愛マッチング \華の会メール/

  • 怨念渦巻く家で、ナダルと村重杏奈が「リフォームホラーハウス」に挑む
    TV・ドラマ, エンタメ

    一軒家を魔改築する「リフォームホラーハウス」、MBSテレビで放送

  • 愛犬の誕生日に“狂気のケーキ”を手作り ホラーすぎて家族が悲鳴
    インターネット, おもしろ

    愛犬の誕生日に“狂気のケーキ”を手作り ホラーすぎて家族が悲鳴

  • 家中に出没する「謎の生き物」……10歳息子の力作に仰天
    インターネット, おもしろ

    家中に出没する「謎の生き物」……10歳息子の力作に仰天

  • ホラー映画のワンシーンにしか見えない
    インターネット, おもしろ

    仄暗い廊下の奥から老女が迫る……!「トラウマ級」の鬼ごっこ写真

  • 車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス
    インターネット, おもしろ

    車の中に潜んだペニーワイズ!売りに出したあとで気づいたうっかりミス

  • 一瞬でホラー映画の世界観に!謎の楽器「ウォーターフォン」とは?
    インターネット, 雑学・コラム

    一瞬でホラー映画の世界観に!謎の楽器「ウォーターフォン」とは?

  • ストップモーション・アニメ・ホラー映画「ストップモーション」 不穏さMAXな場面写真13点が解禁
    エンタメ, 映画

    ストップモーション・アニメ・ホラー映画「ストップモーション」 不穏さMAXな場面…

  • ホラー作家・雨穴とプリ機が期間限定コラボ 恐怖演出満載の「変なプリ」登場
    イベント・キャンペーン, ゲーム

    ホラー作家・雨穴とプリ機が期間限定コラボ 恐怖演出満載の「変なプリ」登場

  • ホラー映画「ソウX」と婚活イベントが異色コラボ 色んな意味でドキドキしそう
    企業・サービス, 経済

    ホラー映画「ソウX」と婚活イベントが異色コラボ 色んな意味でドキドキしそう

  • 建物の屋上に青白く光るヒトの形をした思念体が?意外過ぎる正体にびっくり
    インターネット, びっくり・驚き

    建物の屋上に青白く光るヒトの形をした思念体が?意外過ぎる正体にびっくり

  • 戦 魂Writer

    記事一覧

    宮城出身・山梨在住。仕事はコンビニの元店長。現在は農業をしつつ、趣味でゲーム配信や同人活動をしています。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 画像提供: かぎしっぽすず&つむぎさん
    インターネット, 感動・ほのぼの

    「もう離さないニャ」最高に可愛い抱きしめ方を覚えた猫

  • 画像提供:キジ白つくしさん
    インターネット, 感動・ほのぼの

    全然怖くない猫アタックに飼い主メロメロ ツチノコポーズからの「すきあり!」

  • ぽむぽわさん提供:あまやどり猫
    インターネット, 感動・ほのぼの

    傘干し中に雨宿りしにくる双子猫 居心地のいい空間なのかな?

  • みふゆ(三冬)さん提供:バネを見つめるサスケくん
    インターネット, 感動・ほのぼの

    猫の部品じゃないかしら 自分の体の部品のようにバネを真剣に見つめる猫

  • JUN_RESIN_ART_工房_ZABOONさん提供:海アート
    インターネット, おもしろ

    美しい「癒しの海」のレジンアートに時も忘れてしまいそう

  • royal_damperさん提供:イチゴとクモ
    インターネット, おもしろ

    バンザイする羊毛フェルトのクモ 可愛らしい姿にお手上げ

  • トピックス

    1. 定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      夏になると、どうしてもあっさりしたものばかり選びがち。そんな中、「のり弁を冷やして食べる」──気にな…
    2. カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      東京・汐留の商業施設「カレッタ汐留」にある異色の立ち食いそば屋「そば さやか」がSNSで話題です。極…
    3. キャラ画像の誹謗中傷利用に懸念、「ワタシってサバサバしてるから」公式が注意喚起

      キャラ画像の誹謗中傷利用に懸念、「ワタシってサバサバしてるから」公式が注意喚起

      漫画「ワタシってサバサバしてるから」の公式Xが8月5日、登場キャラクター・網浜奈美の画像を、誹謗中傷…

    編集部おすすめ

    1. 誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      育児用品メーカーのピジョン株式会社は8月6日、同社が2023年6月より販売している管理医療機器「電動鼻吸い器 SHUPOT(シュポット)」に…
    2. 怨念渦巻く家で、ナダルと村重杏奈が「リフォームホラーハウス」に挑む

      一軒家を魔改築する「リフォームホラーハウス」、MBSテレビで放送

      一軒家を丸ごとホラー仕様に魔改築する前代未聞のホラー×バラエティ番組「リフォームホラーハウス」が、8月8日と15日の深夜にMBSテレビで放送…
    3. RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      「RTA in Japan」は8月4日、2025年夏大会において、任天堂株式会社のゲームを利用しないことについて、経緯を説明。法人による任天…
    4. Nick Turley氏(@nickaturley)の投稿

      ChatGPT、週次アクティブユーザー7億人目前に 4か月で2億人増加

      米OpenAIが開発する対話型AI「ChatGPT」の人気が、再び急上昇しています。ChatGPTのプロダクト責任者であるNick Turl…
    5. 日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある“アボカドスキャナー”が便利すぎる

      日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある「アボカドスキャナー」が便利すぎる

      アボカドはギャンブルです。スーパーなどで見かけても、どれくらい熟してるのかは見た目ではわかりません。触って確かめることもできますが確度は高く…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト