メタリックな輝きを身にまとい、まるでロボット生命体を思わせるハチ。はたまた、スチームパンクな夢の世界に登場しそうなチョウのサナギ……これらは造形作家、K SUZUKIさんの作品です。
今にも動き出しそうなリアル感と、SFやファンタジーの要素を兼ね備えた機械昆虫について、K SUZUKIさんに話をうかがってみました。
SUZUKIさんが機械昆虫の造形作品を作り始めたのは、1年半ほど前のこと。
宇田川誉仁さん(craft factory SHOVEL HEAD)の作品で、グソクムシとアカエイをモチーフにしたオブジェを目にしたことがきっかけだったといいます。
このような作品を作ってみたい、と思ったSUZUKIさんは、初めて粘土造形にチャレンジ。宇田川さんの作品を真似て作ったハチを振り出しに、試行錯誤を続けながらオリジナルの機械昆虫を生み出しました。
現在、手元には9つの作品があるという機械昆虫のオブジェ。技法についてうかがうと、頭や胴体などの主なパーツは紙粘土で造形、細かなパーツはボルトやナット、金属線といったものやエポキシ樹脂、レジン、木材などを場所に応じて使い分けているそうです。
金属あるリアルな色合いですが、これは下地にメタリック色を入れ、上からクリアカラーで塗装しているとのこと。エッジやモールドなどにはシャドウが吹かれ、奥行きや重厚感とともに透明感が生まれています。
中には装甲車のような「進化したゴキブリ」をモチーフにした作品も。本物はちょっと触るのも躊躇してしまう存在ですが、これは力強いかっこよさがありますね。
ご自分の作品について「あくまで造形物ですが、今にも動き出しそうな生命っぽさを感じてほしい」と語るK SUZUKIさん。
より多くの作品が生まれ、機械昆虫のうごめく世界が広がると、さらに面白くなっていきそうです。
https://twitter.com/mitsuo_j28/status/1481486948699369473
<記事化協力>
K SUZUKIさん(@mitsuo_j28)
(咲村珠樹)