普段使いの器を中心に作陶している陶芸作家、陶房吞器(とうぼうのんき)(@hisaejinnohara)さんがツイッターに投稿した1枚の写真。そこには陶器に描かれた鳥の絵がたくさん並んでいます。
かわいい絵だなー……と眺めていると、あることに気付きます。そう、これらは全てコップや湯呑みをはじめとする陶器の底。普段はあまり気にすることのない陶器の底にデザインするという斬新なアイデアに注目が集まっています。
これらは全て陶房吞器さんが手作業で描いているもの。技法上、「高台」と呼ばれる、茶碗や鉢の底につけられた円い部分がない板皿などには描けないそうで、高台のある陶器の底に限って絵を描いています。
以前から食器洗いが面倒と感じており、食器の底に絵が描かれていたら少しは楽しくなるのではないかと、このアイデアを思い付いたのだそう。たしかにこれなら殺風景な食器洗いも明るく楽しいものになりそうですね。
加えてもともと鳥が大好きだったという陶房吞器さん。イラストに描かれているのはインコ、文鳥、ハシビロコウ、ペンギンなど鳥類を幅広く描いています。どれもつぶらな瞳がかわいらしい、味のある絵に仕上がっています。
底に絵を描き始めた頃は陶房吞器さんの「大先輩」から「無駄な仕事」と言われたこともあるのだとか。それでも絵を描くことをやめなかった陶房吞器さん。「無駄な仕事」だったかどうかは……ツイッターの反応に表れました。
ユニークな鳥の絵には「見えないからこそ、拘りは大切」「全然、無駄じゃないっすよ!とてもオシャレです!」と称賛の声が多数寄せられており、3万件以上の「いいね」が。陶房吞器さんが心を込めて描く絵は多くの方に「必要な仕事」と認められたようです。
陶房吞器さんの作品はHP記載の取り扱い店、及びイベントや展示会の出展の際に購入可能ですが、手作り陶器で数に限りがあるため、取り扱い店に在庫がない場合もあります。納品情報や出展の情報は陶房吞器さんのツイッターやInstagramの投稿で案内していくとのことです。
全部底。
これを始めた頃、大先輩の陶芸家さんに「無駄な仕事」と言われたこともある底。
でも今も描いてる底(笑)。 pic.twitter.com/zNrozNjOVi— 陶房吞器 (@hisaejinnohara) January 18, 2022
<記事化協力>
陶房吞器さん(@hisaejinnohara)
(山口弘剛)