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「藤の花のランプシェード」は光で表情を変える花の滝

 主にガラスビーズを用いたオリジナルアクセサリー作りをしているハートブーケ(Heart Bouquet)さん。

 「100年後にどこか遠い国の蚕の市(フリーマーケット)で買われていくような、『時代を超える美しさ』と『丁寧で緻密な作り』を目指しています」という作品は、独自の世界観を有しています。

 先日は藤の花を傘にしたランプシェードが、Twitterで大きな反響を呼びました。

  •  「#あなたがまだ見たことがない世界かもしれない作品展 ビーズをつなぎ合わせて藤の花を作ったランプ」

     そんなつぶやきを添えて、Twitterに作品を紹介したハートブーケさん。紫・白・緑といった異なる色のガラスビーズを用いてフジの藤棚を表現し、それを簾のように吊るしたランプシェードとなっています。

    フジの藤棚をランプシェードの装飾で表現した投稿者。

     投稿写真では、光を照らす前と後の様子を紹介されていますが、幻想的でロマンチックさ漂う「アフター」はもちろん、「ビフォー」に関しても、藤棚が目を引く“フラワーアート”要素も含んだインテリアとして目を引きます。

    明かりを灯す「ビフォー」も魅力的。

     以前見かけた、ステンドグラスのランプに取り付けられていた藤の花の「平面の絵柄」を見て、「ガラスビーズを用いた立体」で表現しようと思い立ったというハートブーケさん。再現するにあたっては、何と1500個以上のビーズに、それを通す丸カンも1000個以上使用したそうです。そのため、膨大な作業量を経て作り上げましたが、同様にこだわりも随所に散りばめられています。

     「本作は、『ビーズを一粒一粒丸カンに通して組み上げる』という作り方をしているのですが、これは、『糸に通した細長いビーズを簾のように下げて作る』という、一般的なビーズランプのシェードとは異なる作り方なんです。これにより、『藤の花房の立体感』を表現できました」

     「花房に使用したビーズは、上から下に向けて少しずつ小さいものにして、色が少しずつ濃く見えるようなグラデーションにしました。ビーズそのものも、花弁の柔らかさを感じられるように、表面の艶を抑えた色のものを選んでいます」

    大小様々なビーズを使用しています。

     さらに、ビーズの一部には、表面に虹色が浮かぶような加工を施したものも別途使用しています。これは明かりを灯していない「ビフォー」においても、色の見え方に表情が出るようにという狙いがあったとのこと。筆者が本作に対して、インテリア的な魅力も感じたのは、どうやらそのあたりにあるようです。

    使用ビーズの一部には虹色加工を施しています。

    その姿はまさに「花の滝」。

     一方、明かりを灯すランプ部分に関しては、敢えて電球が見える仕様にしたそうです。藤の花房がゆらゆらと揺れる特徴を考え「それ(電球)を月に見立てて、藤棚のすき間から満月を拝むようにご覧いただければ」というハートブーケさんの「心配り」から。

    剥きだしのランプは月に見立てて欲しいという投稿者の心配り。

     結果、多くの素敵がつまった本作ですが、実際の投稿でも、「ステキ」「かわいい」「キレイ」といった反応が多数寄せられていました。

    ガラスビーズに魅力を見出した投稿者。様々な作品を製作されています。

     そんなハートブーケさんは、「特に豊富な色や形に魅力を感じていますね」と、ガラスビーズを用いてアクセサリーをはじめとした様々な作品を製作。アクセサリーミュージアムが主催する「ENJOYスタイリング展」では、作品が入選するなどして活躍されています。

    <記事化協力>
    Heart Bouquet ハートブーケさん(@HeartBouquet_hb)

    (向山純平)

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