介護用品や福祉用具のレンタルと販売を行っているダスキンヘルスレントは、9月19日の「敬老の日」を前に、親世代と子世代を対象に「親のいま」に関する親子2世代の意識調査を実施。
9月15日に公開された調査結果ではお互いを気遣っている一方、親子間で「老い」や「老後」についてコミュニケーションが不足していることが浮き彫りになりました。
今回の調査は、ダスキンヘルスレントが「いま、親のいまを知ろう。」をテーマに開始したプロジェクトの第1弾として発表されました。いつか直面する介護への備えを今から準備することの大切さ、を紹介するものです。
調査は、60~70代以上で別居の子どもがいる男女1000人の「親世代」と、20~69歳で60代以上の別居する親がいる男女1000人の「子世代」を対象に行われました。なお、一部設問では、子世代の回答数が892人のものも含まれます。
親世代に自身の老いについて聞いたところ、85.6%が「自身の老いを感じる」と回答。一方、子世代に親の老いについて聞くと、85.1%が「親の老いを感じる」と答えました。
しかし、親の老いに向き合えているか?という設問には38.4%が「向き合えていない」という結果になっています。
親の老いを頭では理解しているものの、気持ちの上では向き合えない子世代が約4割もいることが明らかになりました。さらに子世代の3人に1人(36.0%)が「親の老いを見て見ぬふりをしたことがある」と答えています。
そのような子どもの心を察したのかは不明ですが、97.8%の親世代の人が「子どもの負担にはなりたくない」と思っており、「子どもともっと会いたい」と答えた人も52.8%と約半数。
当然、親や自身の老後について具体的に話し合った経験を持つ人も少なく、「親子で真剣に話し合った経験がない」と回答した人は、親世代が8割(81.6%)、子世代も7割(75.0%)という結果になっています。
理由は、子世代が「何をどう会話したらよいかわからない」(71.6%)、「親がまだ健康」(69.8%)、「まだ先のこと」(59.8%)という答えが多く、親世代は「子に迷惑をかけたくない」(90.3%)、「自分はまだ健康」(89.3%)、「子どもに頼ることを想定していない」(85.5%)と続いていました。
親世代の多くは「子どもの負担にはなりたくない」「子に迷惑をかけたくない」と思っており、「鍵の閉め忘れ」や「火の消し忘れ」などのヒヤリハット体験者が全体のおよそ半数(46.2%)いるにもかかわらず、「鍵の閉め忘れ」を子どもに伝えた人は21.8%、「火の消し忘れ」は34.7%と、子どもに連絡をしない親が多くなっています。
また子世代も約6割(62.6%)が「今の親の健康状態を正しく理解できていないと思う」と答えており、親子間のコミュニケーションの見直しは必要なことかもしれません。
茨城大学人文社会科学部の松本光太郎教授は、「親子間コミュニケーション」のススメとして「敬老の日のさしすせそ」を提案しています。
「さ」は一緒に楽しめそうなことを「誘う」
「し」は1人で悩まず「シェアする」
「す」はお互い意地を張らずに「素直になる」
「せ」は親なのだからと「背伸びしない」
「そ」は親だから子どもだからと、相手に必要以上に「忖度しない」
「直接向き合って話しづらい親子にオススメなのが旅行」と語る松本教授。目的地へ一緒に向かい、一緒に何かをしていると自然に対等な関係になり、普段は面と向かって話せない胸の内も、お互いに話しやすくなると言います。
また、旅行が難しい場合は散歩でも良いとのこと。会話をしながら一緒に歩くことで、健康状態などを知ることにつながりやすくなるそうです。
なお、ダスキンヘルスレントは今回の調査結果の他、9月16日の午前10時から「いま、親のいまを知ろう。」をテーマにしたスペシャルムービーも特設サイトで公開します。
情報提供:株式会社ダスキン
(佐藤圭亮)